雨をとじこめて
家に帰って。
自室に向かう。
乱暴に通学鞄を置いて。
ふと、窓を見た。
私が作った逆さのてるてる坊主が、何体も並んでいる。
みんな、今の私と同じように泣き顔で。
「うぅ……っ」
裏切られたような気持ちと。
寂しくてつらい気持ちと。
怒ったような気持ちが。
ぐちゃぐちゃにかき混ぜられたような心で。
(やっぱり……)
と、思った。
やっぱり、私なんかが隣にいちゃいけないんだよ。
最初からわかっていたのに。
叶うはずのない片想いだって。
ちょっと話してもらえたくらいで、浮かれちゃって。
バカみたい。
乱暴に置いた鞄からヴーヴーと、振動音がした。
スマートフォンを取り出し、画面をのぞく。
《空良くん 新着メッセージあり》
「なんで……」
こんなぐちゃぐちゃな気持ちで。
空良くんからのメッセージなんて読めない。