雨をとじこめて

スマートフォンに振動があった。

日菜乃と実乃理とのグループメッセージに二件の新着メッセージが届いている。


《どうしたの!?》
と、日菜乃。


《何があった!?》
と、実乃理。



授業中にいけないと思いつつ、私は返事を返した。


《放課後、空良くんが会いに来るって!! さっき届いたメッセージにそう書いてあった!!》



「えぇーーーっ!?」


日菜乃の叫び声が、教室に響く。

先生が大きなため息を吐いた。

長い長いお説教が始まってしまったのは、言うまでもない……。









放課後。

私は教室でスマートフォン片手にウロウロしていた。



「覚悟を決めなくちゃ!」
と、日菜乃。



「そうだよ、りんご。日菜乃に可愛くしてもらったんだし、自信持って!」



実乃理がそう言って励ましてくれる。

さっき急いで日菜乃がヘアアレンジをしてくれて、軽くメイクもしてくれた。



「うぅ、でも、私なんかが……」
と、ウジウジ言っていると、スマートフォンが振動した。
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