雨をとじこめて

画面を見ると、空良くんからのメッセージだった。



《りんごちゃん、まだ学校にいる?》



画面をのぞいた日菜乃が、
「ほら、今度こそ返事しなくちゃ」
と、私を見る。



《学校にいます》



震える手で返事を打つと、
《校門のところで待ってる》
と、またすぐにメッセージが来た。



「えっ、ここまで来てるの!?」

「そういうことだよ、迎えに来てくれたんだ!」



日菜乃と実乃理がキャーキャー言って、ときめいている。



(とにかく謝らなくちゃ)



私は鞄を持って、
「行ってくる!」
と、教室を出た。



背後から聞こえたふたりの、
「頑張れ〜」
の言葉に、背中を押された気がした。






昇降口で靴を履き替えて、傘を差し、いざ校門へと向かう途中。



「姉ちゃん」
と、裕悟が現れた。



「え、何!? ちょっと急いでいるんだけど」

「いやぁ、ごめん。今日さ、母さんが出かけるってことを忘れてて」
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