もしこの恋が叶うのならば

恋とは

いつも通り変わらない日常、そんな中私はこの生活に飽き飽きしていた。
朝学校に行って4時まで授業をする。そして部活に行き運動をして帰る。そんな平凡の日常。
もっと青春みたいなことが出来るかと思っていたが現実はそんなに上手くいかない。
友達はいい子ばかりで楽しいは楽しいけれど、恋愛というものがなかなかできないのが悩み。クラスの男子はうるさいし変なことするしで恋愛をする気が起きないのだ。
今日もまた平凡な日常を送る。
「はぁ、なんでみんな恋愛してるの?どうしたら好きな人できるわけ…?」
溜息をつきながら友達に聞いてみた。
「なんでって、ねぇ…?」と困り果てている舞美と顔を見合せている花音。その横で苦笑いをしている雪音。
舞美は1個上の彼氏がいて、花音は2個上の彼氏、雪音は隣のクラスの男子に恋をしている。
私だけ好きな人も彼氏もいない。
「じゃあさ逆に聞くけど、紗彩はなんでそんなに恋愛したいの?」
「なんでってそりゃあ恋愛ってどんなのか気になるから」
唐突の質問に躊躇いなく答える。そんな私の問いに3人はまた苦笑いを顔に浮かべた。
「好きな人って作るんじゃなくて自然とできてるものだよ」
雪音は私の顔を見て真っ直ぐにそういう。でもまだ苦笑いの顔がうっすらと残っていた。
「恋愛なんてしなくてもいいと思うんだけどね」
「うんうん」
舞美が言うことに対して花音は同情して首を振る。私はその言葉にイラッとし唇をとがらせ「彼氏持ちの人達に言われたくないんですけどー」と不貞腐れた。
その時誰かが私を呼ぶ声がドアの方から聞こえた。
「紗彩」
その声の主は蓮だった。
蓮は部活仲間でたまに一緒に帰ったり遊びに行ったりもする。男子の中で1番仲良いと思う。
「紗彩、好きな人佐々木くんで良くない?」
カバンに教科書などを入れている時に花音がこっちを見てそう言った。
「は?蓮?」
私はピタッと動きを止め正気?という顔を花音に向ける。
「紗彩と佐々木くんは仲良いし、それに佐々木くんイケメンで運動神経良くて性格よくて完璧じゃん!」
「あー、ないない。そもそも向こうが私を恋愛対象としてるかが怪しいし」
「そうかな」
「絶対そうだから蓮はないな。…じゃあねまた明日」
何を言い出したかと思えば、そんなこと。蓮は恋愛対象としてみてるわけじゃないしただの部活仲間それだけ。
「おまたせ」
「ん。部活行くぞ」
体育館までの道のりを歩きながら今日の出来事を話す。
でも不意に花音が言ったことを思い出してしまった。
なぜ今思い出す…。頭を振りないないと心の中で呟く。
「どうした?」
私の行動がおかしかったのか私の顔を覗き込む蓮。顔が近くて一瞬ドキッとした。
「なんでもない!」
「ならいいけど」
蓮の顔が離れ私の心臓がドキドキと音を立てる。顔にも少し熱を感じた。
何意識してんの、って意識はしてないし花音が余計なこと言ったからだよ。絶対そう、そんなことあるわけないし、ね。
この時の私はそう思っていた。
私がこの恋に気づくまで後15日___。
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