【女の事件】恨散髪(さんぱつ)
第1話
時は、4月7日の午前11時半頃であった。
場所は、今治市旭町《しないあさひまち》にある今治国際ホテルのエントランスホールにて…
エントランスホールのカフェテリアに結婚披露宴に出席するみなさま方たちがたくさんいた。
この日に行われる挙式披露宴の新郎新婦《しゅやく》は、市井さおり(29歳・幼稚園の先生)と草介《ソースケ》(38歳・管理職)である。
新郎新婦《おふたり》は、8年前に勤労青少年ホームの英会話教室で知り合った。
1年前にふたりは結婚することを決めたあと、この日に向けて結婚準備をすすめた。
そしてこの日、よろこびの日をむかえた。
さおりは、結婚を機に幼稚園の先生を退職した。
退職後は、専業主婦で通すことになった。
草介《ソースケ》は、一流企業勤務で年収・1200万円…
学歴は、東京にある一流大学を優秀な成績で卒業…
さおりは、専業主婦で床の間にかざられる…
お祝儀を大量にいただいたので、新郎新婦《おふたり》は幸せイッパイモードであった。
…………
話は戻って…
エントランスのカフェテリアに和装の慶祝服姿《れいふく》の米山エイスケ・かなで夫婦(70代後半)がやって来た。
エイスケ・かなで夫婦は、さおりの両親に声をかけた。
「さおり先生のおとーさまとおかーさま。」
「あら、米山さんのご夫婦ですね。」
「この度は、娘さんのご結婚おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「この度は、さおりのためにいろいろとお世話になりました。」
「挙式披露宴のセッティングから新居の準備までいろいろとお世話してくださいましてありがとうございました。」
「いえいえ。」
「きょうは、米山さんのお孫さんがエンゼルサービスのエンゼルをお務めになるのですね。」
「ええ…樹《たつき》はあしたから小学校に入学するのでさおり先生と最後の思い出づくりをと思いまして…」
「ありがとうございます…あと、男の子ふたりと女の子3人も一緒にエンゼルサービスのエンゼルを務めるとお聞きしたので、娘も大喜びですわ~」
「そうだね。」
かなでは、やさしい声でエイスケに言うた。
「もうそろそろ息子夫婦たちが到着する頃ね。」
「そうだな。」
エイスケとかなでは、きょうの結婚披露宴をとても楽しみにしていた。
樹《たつき》が5人の子たちと一緒にエンゼルサービスを務めているシーンをスマホの動画で撮影して孫の成長記録のフォルダに入れる…
エイスケとかなでは、いつも以上にはりきっていた。
しかし、この時から深刻なもめ事が発生したようだ。
(ブロロロロロロロロロロロロロロロ…)
話は、30分前の午前11時頃だった。
ところ変わって、今治国際ホテル付近にある交差点にて…
白のトヨタエスティマが赤信号で停車した。
車内には、エイスケかなで夫婦の長男・米山守《よねやままもる》(46歳・管理職)と妻・桃子《ももこ》(48歳・専業主婦)とふたりの長男・樹《たつき》(6つ)と守の弟・迅《じん》(39歳・独身)の4人が乗っていた。
大通り側の歩行者用信号機の青が点滅した時であった。
桃子が急に叫び声をあげた。
「ああああああああああああああああああああああ!!たいへーん!!」
守は、怒った声で桃子に言うた。
「おい!!叫び声をあげるな!!」
「あなた!!」
「なんや!!」
「今すぐに引き返して!!」
「なんで引き返すのだよ!?」
「迅《じん》さんの髪の毛がボサボサになっているのよ!!」
「無理だよ!!もうすぐいまこくに着くのだよ!!」
「あなた引き返してよ!!」
「なんで引き返すのだ!?」
「このまま行ったら迅《じん》さんが笑われるわよ!!」
「桃子!!」
この時、4人が乗っている車はホテルの右向いにある駐車場に入ったばかりであった。
守は、空いているスペースに駐車しようとした。
桃子は、守に対して車を引き返してほしいと頼んだ。
「あなた!!うちに引き返してよ!!」
「なんで引き返すのだよ!?」
「迅《じん》さんの髪の毛がボーボーになっているのよ!!顔もヒゲモジャになっているからものすごくカッコ悪いのよ!!」
「だからどうしろと言うのだよ!?」
「あなた!!」
「わかったよ!!家に引き返すよ!!」
(グォーン!!)
4人が乗っているエスティマは、ものすごい爆音をあげながら走り出した。
車は、駐車場から出たあと河野美術館の付近の通り〜裁判所前の交差点を左折して再び国道317号線に出た。
結婚披露宴は、午後1時から始まる…
樹《たつき》が務めるエンゼルサービスは、披露宴の後半である…
遅くても、12時半までにサンパツを終えないと間に合わない…
迅《じん》さんは、アタシが言うた言葉をきれいに忘れていた…
前日までにサンパツ屋に行くようにと言うたのにサンパツに行かなかった…
どうして迅《じん》さんは、人の言う事を素直に聞かないのか…
桃子は、家につくまでの間ものすごくイラついた表情でつぶやいた。
時は、午前11時20分頃であった。
またところ変わって、今治市鯉池町《しないこいけちょう》にある市営住宅《だんち》にて…
桃子と迅《じん》は、車から降りたあと3階にある部屋に向かった。
米山一家6人は、3階の6LDKの部屋で暮らしていた。
桃子は、ものすごく怒った表情で迅《じん》の右手を引っ張りながら部屋へ向かった。
迅《じん》は、なさけない声で『いたいいたい…』と言うた。
桃子は、ものすごく怒った声で迅《じん》を怒鳴りつけた。
「急ぎなさい!!」
「なんでひっぱるのだよ〜」
「前の日までにサンパツに行きなさいと言うたでしょ!!」
「いそがしかったのだよ〜」
「いいわけを言わないでよ!!」
思い切りブチ切れた桃子は、部屋のカギをカイジョウしたあと迅《じん》の右手を引っ張りながら入った。
「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい…」
「入りなさいよ!!」
またところ変わって、部屋の中にて…
迅《じん》は、木のイスに座らされたあと首元に電気バリカンで切った髪の毛を受ける丸いものをつけられた。
桃子は、パナソニック電工の電気バリカンが入っている箱を開けたあと電気バリカンの本体を取り出した。
準備ができた…
スイッチオン…
(パチ…)
桃子が電気バリカンのスイッチを入れた時であった。
ウィーンと言う音が鳴るはずがならなかった。
桃子は、真っ青な顔でつぶやいた。
えっ?
どうして動かないの?
使用したあとは、いつもきれいにそうじしたのに…
(カチカチカチカチカチカチカチカチ…)
ものすごくイラついた桃子は、機械のスイッチをカチカチカチカチと音を立てていた。
なんなのよもう!!
思い切りブチ切れた桃子は、近くの戸だなにあったプラスドライバーを手に取った。
その後、電気バリカンの機械を分解した。
内部にゴミがたまっているから機械が動かないのよ…
そう思った桃子は、機械を分解した。
しかし…
桃子が機械を分解したことが原因で電気バリカンが壊れた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!どうしよう!!」
大失敗をやらかした桃子は、より強烈な叫び声をあげた。
時は、午後12時頃であった。
ところ変わって、白のエスティマの車中にて…
守と樹《たつき》は、車のカーナビについているワンセグでテレビを観ていた。
ワンセグの画面にお昼のNHKニュースが映っていた。
この時、桃子が迅《じん》の右手を引っ張りながら車に乗り込んだ。
桃子は、ものすごくおたついた声で守に言うた。
「あなた!!」
「なんぞぉ!!」
「急いでサンパツ屋へ行ってよ!!」
「サンパツ屋へ行けだと!?」
「空いているサンパツ屋を急いで探してよ!!」
「わかったよ!!」
(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)
このあと、4人が乗っている車が市営住宅《だんち》の駐車場から出発した。
こんな大事な時に…
なんで迅《じん》さんはサンパツ屋に行かなかったのよ…
髪ボーボーでヒゲモジャ顔ではお嫁さんがもらえなくなるわよ…と厳しく言うたのに…
どうして言うことを聞かないのよ…
迅《じん》さんは…
どこのどこまでドサイテーよ!!
場所は、今治市旭町《しないあさひまち》にある今治国際ホテルのエントランスホールにて…
エントランスホールのカフェテリアに結婚披露宴に出席するみなさま方たちがたくさんいた。
この日に行われる挙式披露宴の新郎新婦《しゅやく》は、市井さおり(29歳・幼稚園の先生)と草介《ソースケ》(38歳・管理職)である。
新郎新婦《おふたり》は、8年前に勤労青少年ホームの英会話教室で知り合った。
1年前にふたりは結婚することを決めたあと、この日に向けて結婚準備をすすめた。
そしてこの日、よろこびの日をむかえた。
さおりは、結婚を機に幼稚園の先生を退職した。
退職後は、専業主婦で通すことになった。
草介《ソースケ》は、一流企業勤務で年収・1200万円…
学歴は、東京にある一流大学を優秀な成績で卒業…
さおりは、専業主婦で床の間にかざられる…
お祝儀を大量にいただいたので、新郎新婦《おふたり》は幸せイッパイモードであった。
…………
話は戻って…
エントランスのカフェテリアに和装の慶祝服姿《れいふく》の米山エイスケ・かなで夫婦(70代後半)がやって来た。
エイスケ・かなで夫婦は、さおりの両親に声をかけた。
「さおり先生のおとーさまとおかーさま。」
「あら、米山さんのご夫婦ですね。」
「この度は、娘さんのご結婚おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「この度は、さおりのためにいろいろとお世話になりました。」
「挙式披露宴のセッティングから新居の準備までいろいろとお世話してくださいましてありがとうございました。」
「いえいえ。」
「きょうは、米山さんのお孫さんがエンゼルサービスのエンゼルをお務めになるのですね。」
「ええ…樹《たつき》はあしたから小学校に入学するのでさおり先生と最後の思い出づくりをと思いまして…」
「ありがとうございます…あと、男の子ふたりと女の子3人も一緒にエンゼルサービスのエンゼルを務めるとお聞きしたので、娘も大喜びですわ~」
「そうだね。」
かなでは、やさしい声でエイスケに言うた。
「もうそろそろ息子夫婦たちが到着する頃ね。」
「そうだな。」
エイスケとかなでは、きょうの結婚披露宴をとても楽しみにしていた。
樹《たつき》が5人の子たちと一緒にエンゼルサービスを務めているシーンをスマホの動画で撮影して孫の成長記録のフォルダに入れる…
エイスケとかなでは、いつも以上にはりきっていた。
しかし、この時から深刻なもめ事が発生したようだ。
(ブロロロロロロロロロロロロロロロ…)
話は、30分前の午前11時頃だった。
ところ変わって、今治国際ホテル付近にある交差点にて…
白のトヨタエスティマが赤信号で停車した。
車内には、エイスケかなで夫婦の長男・米山守《よねやままもる》(46歳・管理職)と妻・桃子《ももこ》(48歳・専業主婦)とふたりの長男・樹《たつき》(6つ)と守の弟・迅《じん》(39歳・独身)の4人が乗っていた。
大通り側の歩行者用信号機の青が点滅した時であった。
桃子が急に叫び声をあげた。
「ああああああああああああああああああああああ!!たいへーん!!」
守は、怒った声で桃子に言うた。
「おい!!叫び声をあげるな!!」
「あなた!!」
「なんや!!」
「今すぐに引き返して!!」
「なんで引き返すのだよ!?」
「迅《じん》さんの髪の毛がボサボサになっているのよ!!」
「無理だよ!!もうすぐいまこくに着くのだよ!!」
「あなた引き返してよ!!」
「なんで引き返すのだ!?」
「このまま行ったら迅《じん》さんが笑われるわよ!!」
「桃子!!」
この時、4人が乗っている車はホテルの右向いにある駐車場に入ったばかりであった。
守は、空いているスペースに駐車しようとした。
桃子は、守に対して車を引き返してほしいと頼んだ。
「あなた!!うちに引き返してよ!!」
「なんで引き返すのだよ!?」
「迅《じん》さんの髪の毛がボーボーになっているのよ!!顔もヒゲモジャになっているからものすごくカッコ悪いのよ!!」
「だからどうしろと言うのだよ!?」
「あなた!!」
「わかったよ!!家に引き返すよ!!」
(グォーン!!)
4人が乗っているエスティマは、ものすごい爆音をあげながら走り出した。
車は、駐車場から出たあと河野美術館の付近の通り〜裁判所前の交差点を左折して再び国道317号線に出た。
結婚披露宴は、午後1時から始まる…
樹《たつき》が務めるエンゼルサービスは、披露宴の後半である…
遅くても、12時半までにサンパツを終えないと間に合わない…
迅《じん》さんは、アタシが言うた言葉をきれいに忘れていた…
前日までにサンパツ屋に行くようにと言うたのにサンパツに行かなかった…
どうして迅《じん》さんは、人の言う事を素直に聞かないのか…
桃子は、家につくまでの間ものすごくイラついた表情でつぶやいた。
時は、午前11時20分頃であった。
またところ変わって、今治市鯉池町《しないこいけちょう》にある市営住宅《だんち》にて…
桃子と迅《じん》は、車から降りたあと3階にある部屋に向かった。
米山一家6人は、3階の6LDKの部屋で暮らしていた。
桃子は、ものすごく怒った表情で迅《じん》の右手を引っ張りながら部屋へ向かった。
迅《じん》は、なさけない声で『いたいいたい…』と言うた。
桃子は、ものすごく怒った声で迅《じん》を怒鳴りつけた。
「急ぎなさい!!」
「なんでひっぱるのだよ〜」
「前の日までにサンパツに行きなさいと言うたでしょ!!」
「いそがしかったのだよ〜」
「いいわけを言わないでよ!!」
思い切りブチ切れた桃子は、部屋のカギをカイジョウしたあと迅《じん》の右手を引っ張りながら入った。
「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい…」
「入りなさいよ!!」
またところ変わって、部屋の中にて…
迅《じん》は、木のイスに座らされたあと首元に電気バリカンで切った髪の毛を受ける丸いものをつけられた。
桃子は、パナソニック電工の電気バリカンが入っている箱を開けたあと電気バリカンの本体を取り出した。
準備ができた…
スイッチオン…
(パチ…)
桃子が電気バリカンのスイッチを入れた時であった。
ウィーンと言う音が鳴るはずがならなかった。
桃子は、真っ青な顔でつぶやいた。
えっ?
どうして動かないの?
使用したあとは、いつもきれいにそうじしたのに…
(カチカチカチカチカチカチカチカチ…)
ものすごくイラついた桃子は、機械のスイッチをカチカチカチカチと音を立てていた。
なんなのよもう!!
思い切りブチ切れた桃子は、近くの戸だなにあったプラスドライバーを手に取った。
その後、電気バリカンの機械を分解した。
内部にゴミがたまっているから機械が動かないのよ…
そう思った桃子は、機械を分解した。
しかし…
桃子が機械を分解したことが原因で電気バリカンが壊れた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!どうしよう!!」
大失敗をやらかした桃子は、より強烈な叫び声をあげた。
時は、午後12時頃であった。
ところ変わって、白のエスティマの車中にて…
守と樹《たつき》は、車のカーナビについているワンセグでテレビを観ていた。
ワンセグの画面にお昼のNHKニュースが映っていた。
この時、桃子が迅《じん》の右手を引っ張りながら車に乗り込んだ。
桃子は、ものすごくおたついた声で守に言うた。
「あなた!!」
「なんぞぉ!!」
「急いでサンパツ屋へ行ってよ!!」
「サンパツ屋へ行けだと!?」
「空いているサンパツ屋を急いで探してよ!!」
「わかったよ!!」
(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)
このあと、4人が乗っている車が市営住宅《だんち》の駐車場から出発した。
こんな大事な時に…
なんで迅《じん》さんはサンパツ屋に行かなかったのよ…
髪ボーボーでヒゲモジャ顔ではお嫁さんがもらえなくなるわよ…と厳しく言うたのに…
どうして言うことを聞かないのよ…
迅《じん》さんは…
どこのどこまでドサイテーよ!!
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