【女の事件】恨散髪(さんぱつ)
第2話
時は、12時半頃であった。
またところ変わって、蒼社町《そうじゃちょう》にある小さな理容院《さんぱつや》にて…
店の前に白のエスティマが停まった。
車に乗っていた桃子たち4人家族は、車から降りたあと大急ぎで店の中に入った。
店の中にて…
店の中には、店の奥さまと女性従業員さんがいた。
店の主人は、お腹を壊したのでトイレに入っていた。
店の奥さまは、やさしい声で桃子たち4人家族に声をかけた。
「あらいらっしゃい〜」
桃子は、ものすごくあせった声で奥さまに言うた。
「奥さま!!今だいじょうぶですか!?」
「ええ、だいじょうぶよ…どうしたの?」
「すみません…義弟《おとうと》の髪の毛がボーボーになっていたので困っているのです…結婚披露宴《ひろうえ》《ひろうえん》の前日までにサンパツ屋へ行きなさいと言うたのに…言うことを聞かなかったのです〜」
「ああ、サンパツをすることを忘れていたのね…すぐできるわよ。」
「すみません…お願いします〜…あと、お顔がヒゲモジャになっているので…」
「お顔もそっておくわね…しほりちゃん!!早くしなさい!!」
「あっ、はい!!」
奥さまに怒鳴られた女性従業員さんは、大急ぎでサンパツを始める準備に取り掛かった。
迅《じん》は、空いているチェアに座った。
奥さまは、チェアに座った迅《じん》の身体にカバーをかけた。
桃子と守と樹《たつき》は、迅《じん》のサンパツが終わるまでのあいだ待合用のチェアに座って待つことにした。
女性従業員さんは、まずヒゲモジャになっている迅《じん》のお顔ソリから始めた。
お顔ソリは、問題なくきれいに剃《そ》ることができた。
しかし、問題は桃子が言うた『短く切る…』と言う言葉であった。
髪の毛がボーボーになっているから短くカットしてほしい…と桃子は言うた。
女性従業員さんは、桃子が言うた言葉の意味を正しく理解できているかどうか…
お顔そり〜髪の毛を短くカットするまでの間は20分くらいあると思う。
サンパツが完了したあと、すぐに店を出発する…
店《ここ》からいまこくまでの間は、そんなに遠くはない…
車で5分以内だからだいじょうぶだ…
桃子はそう思っていた。
だが、桃子が思っていたとおりには行かなかった。
時計のはりは、12時45分をさしていた。
この時、いまこくで深刻なトラブルが次々と発生した。
またところ変わって、今治国際ホテルにて…
新婦の控え室にいるさおりは、エンゼルサービスを務める子どもたち4人がいた。
樹《たつき》ともう一人の女の子は、まだ到着していなかった。
4人の子どもたち(男の子と女の子ふたりずつ)は、ウェディングドレス姿のさおりと楽しくお話をしていた。
エイスケとかなでは、満面の笑みでさおりと子どもたちを見守っていた。
それから数分後であった。
エイスケとかなでが結婚披露宴場《ひろうえんじょう》へ戻ろうとしていた。
この時、新郎の控え室から草介《ソースケ》の怒鳴り声が響いた。
「なんやオドレ!!ジョウシに対してその口の聞き方はなんや!!おれがいつ(男性従業員さん)のカノジョをセクハラしたのだ!?…人をうたがうのもいいかげんにしろ!!…オレはきょう…さおりと挙式披露宴を挙げるのだぞ!!…人の幸せにケチをつけるのであればクビだ!!」
(ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた草介《ソースケ》は、スマホをカベに叩きつけた。
それによって、スマホがこなごなに壊れた。
その後、草介《ソースケ》は『ふざけるな!!どいつもこいつもオレを攻撃した!!ぶっ殺してやる!!』と叫び声をあげた。
それを聞いたエイスケとかなでは、控え室の前から急いで離れた。
その後、エイスケとかなではホテルのスタッフさんに草介《ソースケ》の精神状態が不安定になっているので、開始予定時刻を60分遅らせてほしいと申し出た。
この時であった。
披露宴《ひろうえん》に出席していた人が『たいへん!!ニュース速報が入ったわ!!』と叫んだ。
この時、岡山県の山陽自動車道《さんようどう》で自動車7台が玉突き事故を起したニュースが入った。
エンゼルサービスを務める予定だった女の子ひとりがホテルに来ることができなくなった…
いまこくに来られなくなった女の子は、父親の転勤先である倉敷市へ移り住んだ。
女の子は、両親と一緒に車に乗って移動中だった…
車はだいじょうぶだったが、事故が発生した影響で広島方面へ向かう下り線で大渋滞が発生したので動けなくなった。
このため、一家3人が乗っている車は岡山県内にあるパーキングエリアに避難していた。
事故を起した自動車7台のうち、軽自動車2台が火災を起した…
状況が悪化したので、いまこくに来ることができなくなったと言う知らせが入った。
…と言う事で、エンゼルサービスを務める子どもたちは5人に減った。
そのまた上に、草介《ソースケ》がサクラン状態におちいったので結婚披露宴を予定通りに挙げることができるかどうか…ビミョーになった。
この日は、5組のカップルさんが結婚披露宴《ひろうえん》を挙げる予定であるが、そのうちの一組がさおり草介《ソースケ》の結婚披露宴《ひろうえん》で使っている場所を使う予定であった。
その一組は、午後4時から結婚披露宴《ひろうえん》を挙げる予定になっている…
ホテルのスタッフさんから遅くとも午後3時までに開始してくださいとお達しがあった。
それまでに結婚披露宴《ひろうえん》を始めることができるかどうかもまたビミョーだった。
またところ変わって、理容院《さんぱつや》にて…
しほり(女性従業員)は、ハサミを使って迅《じん》の髪の毛を短くカットしていた。
桃子たち3人家族は、迅《じん》のサンパツが終わるまでソファにこしかけて待っていた。
この時であった。
近所の奥さまが回覧板を持って店にやって来た。
「奥さま〜」
「あら、おとなりの奥さま〜」
「回覧板を持って来ました〜」
「ありがとうございます〜」
店の奥さまは、近所の奥さまから回覧板を受け取った。
近所の奥さまは、店の奥さまにこう言うた。
「話かわるけど。」
「なあに?」
「市井《いちい》の家のせがれがきょうお嫁さんをもらうみたいね。」
「そうだけど…その結婚披露宴《ひろうえん》に出席するご家族さまが起こしになられているのよ〜」
近所の奥さまは、ものすごくイヤミな声で『あっそう〜』と言うた。
店の奥さまは、近所の奥さまにこう言うた。
「きょうは、お子さまが結婚披露宴《ひろうえん》のエンゼルサービスを務める予定なのよ…だけど、親御《おや》のシングルきょうだいがサンパツに行くのを忘れたので…今、シングルきょうだいのお顔をきれいにしているのよ〜」
近所の奥さまは、ものすごくイヤミな声でこう言うた。
「そう…市井のせがれの嫁は幼稚園の先生だったわね…エンゼルサービスを務める子どもたちは?」
「お嫁さんが担任だったクラスの子どもたちよ…明日は小学校の入学式なので…大好きだった先生とお別れをする…と言うこともかねてエンゼルサービスをするのよ。」
「いいわね…市井のせがれの嫁は幸せイッパイでいいわね…」
近所の奥さまは、店の奥さまに対してより強烈なイヤミを言うた。
「幸せイッパイモードになっている時に申し訳ないけど…うち、ちょいと小耳にはさんだ話を聞いたのよ。」
「小耳にはさんだ話を聞いた?」
「お向かいの桐谷の奥さまから聞いた話だけど…昨日の夕方頃に北日吉町のマンションの部屋で32くらいの女性が首を吊って命を絶ったわよ。」
「えっ?」
「奥さま、昼のニュースをみてないの?」
「さっき聞いたけど…」
「亡くなられた女性は、職場の上司からどぎついセクハラを受けたみたいよ。」
「どぎついセクハラを受けたことを苦に自殺したって!?」
「うん…発見された遺書の中に市井と言う名前が記載されていたのよ~」
「もしかして…」
「そのもしかしてよ…市井のせがれは、過去にも数人の女性に対してセクハラをしていたのよ…被害を受けた数人の女性も自殺したのよ。」
「奥さま、それもしかして…桐谷の奥さまから聞いたの!?」
「そうよ…桐谷の奥さまが話していたのよ…3日ほど前だけど、市井のせがれが高畑の家の次女さん(22歳)ともめていたのよ…高畑の次女さん、市井のせがれの子どもを身ごもっていたのよ…」
「まさか…」
「高畑の次女さんは、市井のせがれともめた末に…市井のせがれに殺されたのよ!!」
「なんで恐ろしいことを言うのよ!!」
「あら、うちは桐谷の奥様から聞いた話をそのまま話しただけよ…もうやめておくわ…それじゃあ、回覧板を読んだら有村さんカタへ回してね…ほな…」
近所の奥さまは、えげつない話をペラペラと話したあと店から出た。
近所の奥さまがペラペラとしゃべったことが原因で新たなもめ事が発生したようだ。
またところ変わって、蒼社町《そうじゃちょう》にある小さな理容院《さんぱつや》にて…
店の前に白のエスティマが停まった。
車に乗っていた桃子たち4人家族は、車から降りたあと大急ぎで店の中に入った。
店の中にて…
店の中には、店の奥さまと女性従業員さんがいた。
店の主人は、お腹を壊したのでトイレに入っていた。
店の奥さまは、やさしい声で桃子たち4人家族に声をかけた。
「あらいらっしゃい〜」
桃子は、ものすごくあせった声で奥さまに言うた。
「奥さま!!今だいじょうぶですか!?」
「ええ、だいじょうぶよ…どうしたの?」
「すみません…義弟《おとうと》の髪の毛がボーボーになっていたので困っているのです…結婚披露宴《ひろうえ》《ひろうえん》の前日までにサンパツ屋へ行きなさいと言うたのに…言うことを聞かなかったのです〜」
「ああ、サンパツをすることを忘れていたのね…すぐできるわよ。」
「すみません…お願いします〜…あと、お顔がヒゲモジャになっているので…」
「お顔もそっておくわね…しほりちゃん!!早くしなさい!!」
「あっ、はい!!」
奥さまに怒鳴られた女性従業員さんは、大急ぎでサンパツを始める準備に取り掛かった。
迅《じん》は、空いているチェアに座った。
奥さまは、チェアに座った迅《じん》の身体にカバーをかけた。
桃子と守と樹《たつき》は、迅《じん》のサンパツが終わるまでのあいだ待合用のチェアに座って待つことにした。
女性従業員さんは、まずヒゲモジャになっている迅《じん》のお顔ソリから始めた。
お顔ソリは、問題なくきれいに剃《そ》ることができた。
しかし、問題は桃子が言うた『短く切る…』と言う言葉であった。
髪の毛がボーボーになっているから短くカットしてほしい…と桃子は言うた。
女性従業員さんは、桃子が言うた言葉の意味を正しく理解できているかどうか…
お顔そり〜髪の毛を短くカットするまでの間は20分くらいあると思う。
サンパツが完了したあと、すぐに店を出発する…
店《ここ》からいまこくまでの間は、そんなに遠くはない…
車で5分以内だからだいじょうぶだ…
桃子はそう思っていた。
だが、桃子が思っていたとおりには行かなかった。
時計のはりは、12時45分をさしていた。
この時、いまこくで深刻なトラブルが次々と発生した。
またところ変わって、今治国際ホテルにて…
新婦の控え室にいるさおりは、エンゼルサービスを務める子どもたち4人がいた。
樹《たつき》ともう一人の女の子は、まだ到着していなかった。
4人の子どもたち(男の子と女の子ふたりずつ)は、ウェディングドレス姿のさおりと楽しくお話をしていた。
エイスケとかなでは、満面の笑みでさおりと子どもたちを見守っていた。
それから数分後であった。
エイスケとかなでが結婚披露宴場《ひろうえんじょう》へ戻ろうとしていた。
この時、新郎の控え室から草介《ソースケ》の怒鳴り声が響いた。
「なんやオドレ!!ジョウシに対してその口の聞き方はなんや!!おれがいつ(男性従業員さん)のカノジョをセクハラしたのだ!?…人をうたがうのもいいかげんにしろ!!…オレはきょう…さおりと挙式披露宴を挙げるのだぞ!!…人の幸せにケチをつけるのであればクビだ!!」
(ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた草介《ソースケ》は、スマホをカベに叩きつけた。
それによって、スマホがこなごなに壊れた。
その後、草介《ソースケ》は『ふざけるな!!どいつもこいつもオレを攻撃した!!ぶっ殺してやる!!』と叫び声をあげた。
それを聞いたエイスケとかなでは、控え室の前から急いで離れた。
その後、エイスケとかなではホテルのスタッフさんに草介《ソースケ》の精神状態が不安定になっているので、開始予定時刻を60分遅らせてほしいと申し出た。
この時であった。
披露宴《ひろうえん》に出席していた人が『たいへん!!ニュース速報が入ったわ!!』と叫んだ。
この時、岡山県の山陽自動車道《さんようどう》で自動車7台が玉突き事故を起したニュースが入った。
エンゼルサービスを務める予定だった女の子ひとりがホテルに来ることができなくなった…
いまこくに来られなくなった女の子は、父親の転勤先である倉敷市へ移り住んだ。
女の子は、両親と一緒に車に乗って移動中だった…
車はだいじょうぶだったが、事故が発生した影響で広島方面へ向かう下り線で大渋滞が発生したので動けなくなった。
このため、一家3人が乗っている車は岡山県内にあるパーキングエリアに避難していた。
事故を起した自動車7台のうち、軽自動車2台が火災を起した…
状況が悪化したので、いまこくに来ることができなくなったと言う知らせが入った。
…と言う事で、エンゼルサービスを務める子どもたちは5人に減った。
そのまた上に、草介《ソースケ》がサクラン状態におちいったので結婚披露宴を予定通りに挙げることができるかどうか…ビミョーになった。
この日は、5組のカップルさんが結婚披露宴《ひろうえん》を挙げる予定であるが、そのうちの一組がさおり草介《ソースケ》の結婚披露宴《ひろうえん》で使っている場所を使う予定であった。
その一組は、午後4時から結婚披露宴《ひろうえん》を挙げる予定になっている…
ホテルのスタッフさんから遅くとも午後3時までに開始してくださいとお達しがあった。
それまでに結婚披露宴《ひろうえん》を始めることができるかどうかもまたビミョーだった。
またところ変わって、理容院《さんぱつや》にて…
しほり(女性従業員)は、ハサミを使って迅《じん》の髪の毛を短くカットしていた。
桃子たち3人家族は、迅《じん》のサンパツが終わるまでソファにこしかけて待っていた。
この時であった。
近所の奥さまが回覧板を持って店にやって来た。
「奥さま〜」
「あら、おとなりの奥さま〜」
「回覧板を持って来ました〜」
「ありがとうございます〜」
店の奥さまは、近所の奥さまから回覧板を受け取った。
近所の奥さまは、店の奥さまにこう言うた。
「話かわるけど。」
「なあに?」
「市井《いちい》の家のせがれがきょうお嫁さんをもらうみたいね。」
「そうだけど…その結婚披露宴《ひろうえん》に出席するご家族さまが起こしになられているのよ〜」
近所の奥さまは、ものすごくイヤミな声で『あっそう〜』と言うた。
店の奥さまは、近所の奥さまにこう言うた。
「きょうは、お子さまが結婚披露宴《ひろうえん》のエンゼルサービスを務める予定なのよ…だけど、親御《おや》のシングルきょうだいがサンパツに行くのを忘れたので…今、シングルきょうだいのお顔をきれいにしているのよ〜」
近所の奥さまは、ものすごくイヤミな声でこう言うた。
「そう…市井のせがれの嫁は幼稚園の先生だったわね…エンゼルサービスを務める子どもたちは?」
「お嫁さんが担任だったクラスの子どもたちよ…明日は小学校の入学式なので…大好きだった先生とお別れをする…と言うこともかねてエンゼルサービスをするのよ。」
「いいわね…市井のせがれの嫁は幸せイッパイでいいわね…」
近所の奥さまは、店の奥さまに対してより強烈なイヤミを言うた。
「幸せイッパイモードになっている時に申し訳ないけど…うち、ちょいと小耳にはさんだ話を聞いたのよ。」
「小耳にはさんだ話を聞いた?」
「お向かいの桐谷の奥さまから聞いた話だけど…昨日の夕方頃に北日吉町のマンションの部屋で32くらいの女性が首を吊って命を絶ったわよ。」
「えっ?」
「奥さま、昼のニュースをみてないの?」
「さっき聞いたけど…」
「亡くなられた女性は、職場の上司からどぎついセクハラを受けたみたいよ。」
「どぎついセクハラを受けたことを苦に自殺したって!?」
「うん…発見された遺書の中に市井と言う名前が記載されていたのよ~」
「もしかして…」
「そのもしかしてよ…市井のせがれは、過去にも数人の女性に対してセクハラをしていたのよ…被害を受けた数人の女性も自殺したのよ。」
「奥さま、それもしかして…桐谷の奥さまから聞いたの!?」
「そうよ…桐谷の奥さまが話していたのよ…3日ほど前だけど、市井のせがれが高畑の家の次女さん(22歳)ともめていたのよ…高畑の次女さん、市井のせがれの子どもを身ごもっていたのよ…」
「まさか…」
「高畑の次女さんは、市井のせがれともめた末に…市井のせがれに殺されたのよ!!」
「なんで恐ろしいことを言うのよ!!」
「あら、うちは桐谷の奥様から聞いた話をそのまま話しただけよ…もうやめておくわ…それじゃあ、回覧板を読んだら有村さんカタへ回してね…ほな…」
近所の奥さまは、えげつない話をペラペラと話したあと店から出た。
近所の奥さまがペラペラとしゃべったことが原因で新たなもめ事が発生したようだ。