元・最下位の妃、2度目の政略結婚で氷の冷酷王に嫁ぎます~「愛は望むな」と言われた出戻り王女が愛され妃になるまで~
◆ プロローグ
目を覚ましたら、とびきり美形な男が隣に寝ていた。
(え? 誰?)
昨日は確かにひとりで寝たはずなのに。
混乱する頭を整理して、だんだんと記憶がよみがえる。
アリスは昨日結婚し、昨晩は初夜だった。ところが、深夜になっても夫──ここシルティス国の若き国王であるウィルフリッド・ハーストが一向に現れなかった。
初夜なのにまさかの放置プレーかとやけ酒したところまでは覚えているが、その後の記憶が一切ない。頭を襲うずきっとした痛みに、思わず額に手を当てた。
(まずいわ。なんとかしないと)
初夜に飲んだくれて記憶がないとは、なんたる失態。なんとか挽回しなければ。
アリスは背筋を伸ばし、佇まいを直す。
「おはようございます、陛下」
「おはよう、アリス」
昨日アリスが結婚した相手──ウィルフリッドは青い瞳でアリスを見つめ、気だるげに銀髪をかき上げる。
「まさか初めての朝に、顔を見るなり妻に悲鳴を上げられるとは思ってもみなかった」
ウィルフリッドはふっと笑う。
(え? 誰?)
昨日は確かにひとりで寝たはずなのに。
混乱する頭を整理して、だんだんと記憶がよみがえる。
アリスは昨日結婚し、昨晩は初夜だった。ところが、深夜になっても夫──ここシルティス国の若き国王であるウィルフリッド・ハーストが一向に現れなかった。
初夜なのにまさかの放置プレーかとやけ酒したところまでは覚えているが、その後の記憶が一切ない。頭を襲うずきっとした痛みに、思わず額に手を当てた。
(まずいわ。なんとかしないと)
初夜に飲んだくれて記憶がないとは、なんたる失態。なんとか挽回しなければ。
アリスは背筋を伸ばし、佇まいを直す。
「おはようございます、陛下」
「おはよう、アリス」
昨日アリスが結婚した相手──ウィルフリッドは青い瞳でアリスを見つめ、気だるげに銀髪をかき上げる。
「まさか初めての朝に、顔を見るなり妻に悲鳴を上げられるとは思ってもみなかった」
ウィルフリッドはふっと笑う。
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