元・最下位の妃、2度目の政略結婚で氷の冷酷王に嫁ぎます~「愛は望むな」と言われた出戻り王女が愛され妃になるまで~

(もしもわたくしが妊娠したら、ウィルフリッド様は喜んでくださるかしら?)

 叶うことなら、喜んでほしい。そして、『おめでとう』と言ってほしい。
 そのためには今より関係を一歩進めなければならないわけだが──。

「陛下とアリス様は随分と仲がよろしいのですね」

 アリスの様子をじっと見つめていたイリスが言う。

「え? ありがとうございます」

 アリスははにかむ。

「それはそうよ。こんなに可愛い妻ができて、溺愛しないほうがおかしいわ! ねえ最近、デートは行った?」

 アメリアが身を取り出し、アリスに尋ねる。

「わたくしが寒がりなのであまり。でも、今度のお休みの日に樹氷を見せて下さるって約束しているんです」

 アリスは少し照れながらも答える。

「樹氷? どちらのです?」

 そう尋ねてきたのはイリスだ。
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