元・最下位の妃、2度目の政略結婚で氷の冷酷王に嫁ぎます~「愛は望むな」と言われた出戻り王女が愛され妃になるまで~
◇ ◇ ◇
アリスと一緒に出掛けた日の夜、ウィルフリッドは夕食の場に彼女がいることに驚いた。今日はアリスと出かけた影響で、執務が遅くまでかかった。とっくのとうにアリスは食事を終えていると思ったのだ。
「陛下。今日もお仕事お疲れ様でございます」
ウィルフリッドがやって来たことに気づいたアリスは、立ち上がると満面に笑みを浮かべて彼に挨拶をする。
「ああ。……先に食べなかったのだな」
ウィルフリッドは困惑した表情で言う。なぜアリスが自分を待っていたのかわからなかったのだ。
「食事をしながら、陛下とお話でもしようと思いまして」
「俺と話?」
「はい。昼間にもお伝えした通り、陛下のことをもっと知りたいのです」
「……なぜ?」
「夫のことを、もっと知りたいからです。だめでしょうか?」
アリスはおずおずと、ウィルフリッドの顔色を窺うように聞いてくる。
「だめではないが」
「よかった」
アリスはホッとしたように表情をやわらげる。
アリスと一緒に出掛けた日の夜、ウィルフリッドは夕食の場に彼女がいることに驚いた。今日はアリスと出かけた影響で、執務が遅くまでかかった。とっくのとうにアリスは食事を終えていると思ったのだ。
「陛下。今日もお仕事お疲れ様でございます」
ウィルフリッドがやって来たことに気づいたアリスは、立ち上がると満面に笑みを浮かべて彼に挨拶をする。
「ああ。……先に食べなかったのだな」
ウィルフリッドは困惑した表情で言う。なぜアリスが自分を待っていたのかわからなかったのだ。
「食事をしながら、陛下とお話でもしようと思いまして」
「俺と話?」
「はい。昼間にもお伝えした通り、陛下のことをもっと知りたいのです」
「……なぜ?」
「夫のことを、もっと知りたいからです。だめでしょうか?」
アリスはおずおずと、ウィルフリッドの顔色を窺うように聞いてくる。
「だめではないが」
「よかった」
アリスはホッとしたように表情をやわらげる。