溺れて、絆される
そんなある休日。

「リルル、まだ?」

「お待たせ!」 

「………」

「ん?エルル?」

「その服、ダメ」

「え!?どうして!?
この前、エルルが買ってくれたワンピースだよ?」

「上に羽織ってよ。
そのままはダメ」

「でも、今日暑いし…」

「だったら、これでいいから!」
そう言って、メッシュカーディガンを渡してきた。

「うん」
上に羽織ると、頭を撫で「ん、良い子」と微笑んだ。


そして、自宅マンションを出た二人。
日傘をさして、並んで歩く。

「暑くなってきたね…」
「あぁ、そうだね」

日傘を英琉が持って一緒に入り、莉瑠は英琉の腕に手を回している。
英琉は莉瑠の方に日傘を傾け、莉瑠が日に当たらないようにしてくれていた。

「エルル」
「ん?
どうした?暑い?
もう少しで、駅だから」

「そうじゃなくて!
エルル、もっと傘差さないと!
エルルの方が身体が大きいんだから!
暑いでしょ?」

「俺は大丈夫。
リルルの方が大事」

駅に着き、ちょうど電車が来て乗り込んだ。
「わぁ…お客さん、多いね…」
「リルル、俺の手、離さないでね」
「うん…」

英琉に手を引かれ、奥に入っていく。

「リルル、ドア際に行って」
莉瑠を開かない方のドアの前に立たせる。
そして、守るように英琉も立った。

ほぼ満員なので、ぴったりくっついている二人。
窮屈ではあるが、莉瑠は英琉に包まれて幸せを感じていた。

耳を澄ますと、英琉の心臓の音が聞こえてきていて、莉瑠は聞き惚れていた。


駅着いて降り、少し駅を出た所にあるデパート。
英琉と莉瑠の好きなブランドの店があり、二人はよく行っている。

買わなくても、見てるだけでも楽しい。

「今日は、エルルの買おうね!」
「リルルはないの?」

「うーん…
この前、エルルが買ってくれたでしょ?だから、いいよ。ありがとう!」

「じゃあ…サングラスが欲しい。
これからもっと、日射しが強くなるだろ?」

莉瑠も頷き、店に向かう。
様々なサングラスをかけてみる、英琉。

「……/////」

(か、カッコいい//////
エルル、カッコ良すぎるよぉ//////)

サングラスをかけて、鏡で確認している英琉。
莉瑠はただ、見惚れていた。
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