溺れて、絆される
「…………うーん…これかな?
どう?リルル」
サングラスをかけ、莉瑠に向き直る。

「うん…//////カッコいいよ!とっても/////」

顔を赤くしながら微笑むと、英琉も嬉しそうに笑って「じゃあ、買おうかな」とレジに向かった。

それからも、何着が英琉の服を選んで買い………

試着する度に莉瑠は、見惚れていた。

「……/////」
(うぅ…心臓がもたないよ…/////)

ふと見ると、近くにいた女性客や店員が英琉を見ていて「めっちゃカッコいい!」や「声かけてみようかな」などと話しているのが聞こえてきた。

「…………エルル」

「ん?」

「喉渇かない?」

「そうだね。
どっか、入ろうか」

莉瑠は英琉を少し強引に引っ張り、近くのカフェへ向かった。

「リルル!」

「何?」

「どうして泣くの?」

「え?泣いてないよ。
ほら!目、濡れてない!」

「そうじゃない」
英琉が莉瑠の頬に触れる。
そして頬を擦り、目元をなぞった。

「エルル…」

「リルル、悲しそう」

「大丈夫!
ほんとだよ?」
見上げて微笑むと、英琉は少し納得していない風に「わかった」と言った。

カフェに着き、席に誘導される。

莉瑠はキョロキョロとして、店員に「すみません、あちらのカウンターの端でもいいですか?」と言った。

「エルル、一番端ね」
そう言って、英琉を誘導し座らせた。
そして隣に座った。

「リルル?」

「ん?」

「どうしたの?なんか、変」

「エルルは、前だけ向いててね?
後ろ見ないでね」

「………なんで?」

「ダメなの」

「だから、なんで?」

「………な、内緒/////」

カフェに入った途端、客達の目を惹いていた英琉。
莉瑠はそれにヤキモチを妬き、英琉を見せたくなくてわざわざカウンターに座り、できる限り見せないようにしたのだ。

「リルルは?」

「え?」

「リルルのことは見てもいいよね?」

「え…//////う、うん//////もちろん」

「良かった。
リルルのことを制限されないなら、あとはどうでもいいから」

「うん…//////」
莉瑠は、嬉しそうにはにかんだ。

メニューを一緒に見る。

「リルルはミルクティーだよね?」
「うん!
エルルはブラック?」

「うん。そうだね。
ケーキは?どれにするの?」

「………いらない」

カフェに来た時、必ずケーキセットを頼む莉瑠。
今日は、ゆっくり首を横に振った。
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