溺れて、絆される
「え?今、笑うとこじゃないよ」

「エルル、可愛い//////」

「は?」

「違うよ(笑)
そのお隣にある、ペアスウェットを見てたの」

「へ?スウェット?
あ、あれ…か。
いいよ、買お?」

「いいの?」

「うん、いいよ」

そして……ペアスウェットを購入して帰りの電車内。

「――――フフ…」
莉瑠が思い出したように笑い出した。

「ん?どうしたの?」

「あ…いや、エルルのあの慌てようが可愛いなって思い出して…!」

「そんな可笑しい?」

「“可笑しい”じゃなくて!
“嬉しい”」

「え?
嬉しい?」

「ヤキモチ妬いてくれるの、嬉しい!
いつも…私の方がヤキモチばかり妬いてるから、なんか…安心するの」

「どうして?」

「エルル、カッコ良すぎるくらいカッコいいんだよ?
街を歩くだけで、目を惹くし…
“あの人カッコいい!”って、よく噂されてるし。
ヤキモチ、妬いちゃうよ……普通…」

莉瑠は話をしていて、なぜか目が潤んでいた。
そんな莉瑠の頭をゆっくり撫でる、英琉。

「でも、俺はリルルがいい」

「え?」

「俺はね。
大勢の人に好かれなくて良い。
リルルがいい!
100人に“カッコいい”って言われるよりも、リルルだけに“カッコいい”と思われたい。
100人に嫌われるよりも、リルルが傷つけられる方が耐えられない。
リルルが俺の中心で、リルルが幸せじゃないと幸せになれない。
俺はリルルが思ってるより、リルルのこと大好きなんだ。
俺の方が、リルルに惚れてるんだよ?」

「//////うん、ありがとう!」
莉瑠は泣きながら、嬉しそうに笑った。


マンションに帰り着き、莉瑠がキッチンから声をかける。

「エルル、何か飲む?」

「お茶でいいよ。
コーヒーは飲んだし」

「わかった!」

ソファに並んて座り、ゆっくりする。
莉瑠は、英琉の肩に頭を乗せ身体を預けた。

すると英琉の顔が近づいて、口唇が重なった。

「……/////」

「リルル、もう一回…いや、何回も…したい…」
そう言って、更に口唇が重なる。

次第に深くなり、莉瑠は思わず、英琉の服を握りしめた。

「ん…んぁ…は…っぁ…//////
苦し……」
苦しくて、英琉の胸を押し返す。

「……/////はぁ…っ…リルル可愛い…」
口唇を離した英琉が、興奮したように莉瑠を見つめる。

「は…ぁ…/////」
(エルルの顔……なんか…//////)

「リルル…口、離さないで…」
尚も口唇を寄せ、口唇や頬や首にキスをしてくる。

「ちょっ…/////待って……」

英琉がかなり興奮しているのがわかる。
莉瑠はこの先を想像して、更に恥ずかしくなる。

そこにタイミング良く?莉瑠のスマホが鳴り出した。
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