溺れて、絆される
そして莉瑠にとって、洸介の最大の苦手なところがある。
「―――――ん?洸介?
お前、また…」
ベランダから戻ってきた英琉が、洸介に気づく。
「おはよ!」
「返せ」
淡々と言い、手の平を出す。
「んー?何がー?」
「合鍵。
どうせ“また”勝手に作ったんだろ?」
「いいじゃーん!」
「ダメだ。
リルルの着替え途中とかもあり得るだろ?
いつもちゃんと服を着て、リビングにいる状態じゃない。
ちゃんと、チャイム鳴らしてこい」
「はいはい…」
渋々、鍵を英琉の手の平に置いた。
「……ったく…
これで5個目だよな?
鍵も金がかかるだろ?」
「だって、二人が好きなんだもん!」
そう言って、英琉に抱きつく洸介。
「ちょっ…気色悪い!!離れろ!」
押し返す英琉と、戯れて離れない洸介。
「エルル、洸介くん。
お食事出来――――はっ!!?」
慌てて英琉と洸介に駆け寄り、二人の間を割って入る。
「やめて!!」
そして、洸介から離すように英琉に抱きついた。
「………」
(エルルは渡さない!!)
莉瑠は“本気で”洸介のことを、英琉を巡る恋のライバルだと思っているのだ。
ローテーブルに並んだ、莉瑠手作りの朝食。
莉瑠は英琉にぴったりくっついて、洸介を警戒している。
「いただきまーす!」
「いただきます」
洸介と英琉が順に言って、食べ始めた。
「旨っ!」
「旨いな、相変わらず。
リルルの料理は、最高だな」
「良かった、お口に合って!
あ、コーヒーと紅茶、どっちにする?」
「「コーヒー」」
「わかった!」
キッチンに向かい、コーヒーの準備をする。
「―――――で?“本当は”何をしに来た?」
莉瑠に聞こえないように、小声で言った英琉。
洸介を鋭く見つめている。
「んー?」
「早く言え。
リルルが戻ってくる前に」
「磯端、覚えてる?」
「あー、F高の?
よく、洸介に喧嘩売ってたよな?」
「ずっと音沙汰なかったんだが、最近突然俺達の前に現れてさぁー」
「また、喧嘩か…」
「いやいや、俺は相手してないんだよ?
でも、莉瑠のことをどっかから聞いたらしくて……」
「は?」
「英琉の耳にも入れておいた方がいいかなって」
「―――――ん?洸介?
お前、また…」
ベランダから戻ってきた英琉が、洸介に気づく。
「おはよ!」
「返せ」
淡々と言い、手の平を出す。
「んー?何がー?」
「合鍵。
どうせ“また”勝手に作ったんだろ?」
「いいじゃーん!」
「ダメだ。
リルルの着替え途中とかもあり得るだろ?
いつもちゃんと服を着て、リビングにいる状態じゃない。
ちゃんと、チャイム鳴らしてこい」
「はいはい…」
渋々、鍵を英琉の手の平に置いた。
「……ったく…
これで5個目だよな?
鍵も金がかかるだろ?」
「だって、二人が好きなんだもん!」
そう言って、英琉に抱きつく洸介。
「ちょっ…気色悪い!!離れろ!」
押し返す英琉と、戯れて離れない洸介。
「エルル、洸介くん。
お食事出来――――はっ!!?」
慌てて英琉と洸介に駆け寄り、二人の間を割って入る。
「やめて!!」
そして、洸介から離すように英琉に抱きついた。
「………」
(エルルは渡さない!!)
莉瑠は“本気で”洸介のことを、英琉を巡る恋のライバルだと思っているのだ。
ローテーブルに並んだ、莉瑠手作りの朝食。
莉瑠は英琉にぴったりくっついて、洸介を警戒している。
「いただきまーす!」
「いただきます」
洸介と英琉が順に言って、食べ始めた。
「旨っ!」
「旨いな、相変わらず。
リルルの料理は、最高だな」
「良かった、お口に合って!
あ、コーヒーと紅茶、どっちにする?」
「「コーヒー」」
「わかった!」
キッチンに向かい、コーヒーの準備をする。
「―――――で?“本当は”何をしに来た?」
莉瑠に聞こえないように、小声で言った英琉。
洸介を鋭く見つめている。
「んー?」
「早く言え。
リルルが戻ってくる前に」
「磯端、覚えてる?」
「あー、F高の?
よく、洸介に喧嘩売ってたよな?」
「ずっと音沙汰なかったんだが、最近突然俺達の前に現れてさぁー」
「また、喧嘩か…」
「いやいや、俺は相手してないんだよ?
でも、莉瑠のことをどっかから聞いたらしくて……」
「は?」
「英琉の耳にも入れておいた方がいいかなって」