溺れて、絆される
夜のファミレス。

洸介のギャハハハーーーッ!!!という、大爆笑が響いている。

「そんな笑わないで……!//////」
莉瑠が恥ずかしそうに、顔を赤らめている。

「そうだよ、そこまで笑うことないだろ?
リルルはただ、勘違いしてただけなんだから」
その隣で、英琉が洸介を睨んでいた。

「だって…俺が、英琉を好きって……
あり得ねぇ〜(笑)
あー、ダメだ…腹痛い…(笑)」

「だ、だって!いつも一緒だし…
洸介くん、エルルに抱きつくし…」

「それは!親友としてだろ?(笑)」

「………」

「“そうゆう意味で”莉瑠のことも、好きだぞ?」

「うん」

「つか!
もし俺が男好きだったとしても、英琉はタイプじゃねぇし(笑)」

「そうなの?」

「あぁ(笑)
そうだなぁ〜シュンみたいな奴が良い!」

「そっか!」

「それに!俺だって好きな女くらいいるし」

「うん。
……………ん?誰!?」

「教えな〜い!」

「えー!」

洸介は、頬を膨らませる莉瑠を微笑ましく見つめた。


それから――――莉瑠がトイレに向かい、英琉が洸介を見据えた。

「洸介」

「ん?」

「さっき言ってた、洸介の“好きな女”って、莉瑠だろ?」

「んー?内緒!」

「やっぱそうだな」

「何も言ってねぇだろ?」

「何年、洸介を見てきたと思ってる?
20年近く、ずっと洸介を見てきたんだ。
洸介の考えてることなんて、だいたいわかる」

「………そう…だな(笑)
英琉は、ずっと傍にいてくれたもんな」

「あぁ」

「“あの時は”ウザいと思ってたが…
今思うと……英琉がいたから、今の俺があるんだと思ってる。
英琉に、救われた。
莉瑠の親父さんに言われたが……
俺はほんと……“良い幼なじみを持った”
ありがとな!」

「あぁ!」

英琉と洸介が微笑み合っていると、莉瑠が戻ってきて「あー!また!意味深に見つめ合ってる!」と英琉を自分の方に引き寄せ、洸介を睨んだ。

「洸介くん、ダメ!」

「フフ…!
そんな怒んなって!(笑)」

ケラケラ笑う洸介に、英琉も笑っていた。

そしてそれにつられて、莉瑠も笑うのだった。
< 52 / 54 >

この作品をシェア

pagetop