溺れて、絆される
莉瑠は大学を出て、近くのパン屋に向かった。
最近の英琉と莉瑠のお気に入りのパン屋だ。
アンパン、カレーパン、クロワッサン、それとメロンパン。
その4つを取り、レジに持っていく。
いつも、二人で来たときに買う種類だ。
大学に戻り、大学内のコンビニでいちごミルクを購入。
そして、広場のベンチに腰掛けた莉瑠。
いちごミルクとメロンパンを取り出し、ゆっくり食べ始めた。
「………」
びっくりだった。
リルルのことだから、友人に連絡し、友人と一緒にランチするのだと思っていたから。
莉瑠はメロンパンを食べ終わると、スマホを取り出し操作し始めた。
すると英琉のスマホが鳴った。
莉瑠から、メッセージが入ってきた。
【広場の前で待ってます。
できる限り、早く戻ってきてね♪
あと、エルルの好きなパン買ったよ!】
「あー、あのパンは俺に…か」
呟き莉瑠を見ると、莉瑠の周りに男子学生が囲んでいた。
「………」
英琉は、堪らなくなる。
自分が意地悪をしたのに、凄まじい嫉妬心に包まれる。
早足で莉瑠の元へ駆けていった。
「いいじゃん、莉瑠ちゃん!」
「どうせ今一人なんでしょ?」
「○○のケーキ、食いに行こうよ〜」
「ごめんなさい、もうすぐ彼が戻ってくるので」
莉瑠とは思えない淡々とした声色。
英琉に向ける甘さが、微塵もない。
「リルル!」
英琉が呼びかけると、莉瑠の表情がパッと華やいだ。
「エルル!
ごめんなさい、彼が来たから!」
そう言って、パタパタと英琉の方に駆け出した。
微笑み見上げる莉瑠を見ながら……
結局俺の方が、リルルから離れられないんだ。
俺の方が、リルルを捕えて離せないんだ。
そんなことを考えていた。
「――――リルル、一人でいたの?」
「うん」
「なんで?
てっきり友達とランチするんだと思ってた」
「エルルといられないなら、一人がいい」
「え?」
「一人の方が、気楽で好き」
「そっか…
……………フフ…!」
噴き出す、英琉。
“俺達は、お互いに囚われている”
それが可笑しくて堪らない。
「ん?エルル?」
「ん?ううん!」
「……??」
首を傾げる愛しい莉瑠を見ながら、英琉も微笑み頭をポンポンと撫でた。
最近の英琉と莉瑠のお気に入りのパン屋だ。
アンパン、カレーパン、クロワッサン、それとメロンパン。
その4つを取り、レジに持っていく。
いつも、二人で来たときに買う種類だ。
大学に戻り、大学内のコンビニでいちごミルクを購入。
そして、広場のベンチに腰掛けた莉瑠。
いちごミルクとメロンパンを取り出し、ゆっくり食べ始めた。
「………」
びっくりだった。
リルルのことだから、友人に連絡し、友人と一緒にランチするのだと思っていたから。
莉瑠はメロンパンを食べ終わると、スマホを取り出し操作し始めた。
すると英琉のスマホが鳴った。
莉瑠から、メッセージが入ってきた。
【広場の前で待ってます。
できる限り、早く戻ってきてね♪
あと、エルルの好きなパン買ったよ!】
「あー、あのパンは俺に…か」
呟き莉瑠を見ると、莉瑠の周りに男子学生が囲んでいた。
「………」
英琉は、堪らなくなる。
自分が意地悪をしたのに、凄まじい嫉妬心に包まれる。
早足で莉瑠の元へ駆けていった。
「いいじゃん、莉瑠ちゃん!」
「どうせ今一人なんでしょ?」
「○○のケーキ、食いに行こうよ〜」
「ごめんなさい、もうすぐ彼が戻ってくるので」
莉瑠とは思えない淡々とした声色。
英琉に向ける甘さが、微塵もない。
「リルル!」
英琉が呼びかけると、莉瑠の表情がパッと華やいだ。
「エルル!
ごめんなさい、彼が来たから!」
そう言って、パタパタと英琉の方に駆け出した。
微笑み見上げる莉瑠を見ながら……
結局俺の方が、リルルから離れられないんだ。
俺の方が、リルルを捕えて離せないんだ。
そんなことを考えていた。
「――――リルル、一人でいたの?」
「うん」
「なんで?
てっきり友達とランチするんだと思ってた」
「エルルといられないなら、一人がいい」
「え?」
「一人の方が、気楽で好き」
「そっか…
……………フフ…!」
噴き出す、英琉。
“俺達は、お互いに囚われている”
それが可笑しくて堪らない。
「ん?エルル?」
「ん?ううん!」
「……??」
首を傾げる愛しい莉瑠を見ながら、英琉も微笑み頭をポンポンと撫でた。