milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜
「いらっしゃいませ」


すぐにキッチンからだれかが出てきた。


「すみません、最近なかなかこれてなくて。実は、ずっと課題とレポートに追われてて…」


と言って、わたしはそこで口がぽかんと開いた。

てっきり遥さんだと思って話しかけたら、そこにいたのは…知らない黒髪の男の人。


『Gemini』は、遥さんが1人で経営されているはず。

それなのに、…この人はいったい。


「あ…、えっと…。遥さんは…」


わたしがしばらくこない間に、新しく雇ったバイトの人かな?


そんなことを思っていたら――。


「…フフフッ。そんなに驚かれるとは思わんかったな。わからん?遥やで」

「えっ…!?遥…さん!?」


特徴的だった明るいミルクティーベージュの髪色から一変、落ち着いたら黒髪になっていた。
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