milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜
不意に、この前のことを思い出してしまった。


わたしったら…なんでこんなときにっ。


――でも。

なぜかわたしは違和感を感じた。


黒髪にイメチェンした遥さんが見慣れないだけだろうか。

それとも、いつもはアイボリーのエプロンだけど、今日は黒色のエプロンを着ているからだろうか。


今キッチンにいるのは遥さんなのに、…遥さんじゃないような。

そんな気がした。


「お待たせしました。パンケーキセットです」


そうこうしているうちに、わたしの目の前にパンケーキとフルーツが盛られたプレートが出てきた。


「うわぁ〜!おいしそう!」


そのきらびやかな見た目に思わず声がもれた。


空腹のわたしはもう限界。

遥さんへの違和感のことなんて忘れて、さっそくパンケーキを口へと運んだ。


「おいしぃ〜…」
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