milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜
変な言い訳をするくらいなら、このまま何事もなかったかのように話に触れないほうがいい。

だから、遥さんには秘密にしておいてほしかった。


「…ふ〜ん。遥には秘密かぁ~」


意地悪くわたしの顔をのぞき込む彼方さん。

まじまじと顔を見つめられる。


まるで、このままキスされるかのような。


こんな彼方さんが、わたしのお願いを聞いてくれるはずない。


そう思っていたら――。


「ええよ。秘密にする」 


思ってもいなかったその言葉に、わたしははっとして顔を上げた。


「…本当ですか!?」

「うん。遥には言わんかったらいいんやろ?」

「はい…!お願いしますっ」


…よかった。

彼方さんが思ったよりも話のわかる人で。


そう思っていたら――。


「まあ、みひろちゃんが俺の出す条件を飲んでくれたら、やけどな」
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