執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
叔父は帝東大を出て警察庁へ入庁し、順調に出世を遂げ、官房長となり警察庁長官を目指すか、警視庁のトップとなるかの帰路に立ち、後者を選んだ。

彼のようになれば信念を貫ける、そう信じて同じ道を辿り警察庁へ入庁した。

順調に出世コースを歩み、FBIに二年間出向して帰国。現地での功績を買われ、今年新設された部隊の指揮を任された。

警察官としてのキャリアは順調。

一方プライベートはというと、日本に戻ってきてしばらくした頃、縁談の話が舞い込んできた。

相手は父親が世話になっている弁護士の娘だという。

(各業界にコネクションを持つ弁護士か。経験豊富で優秀な人物だと聞く。繋がりはあって損はない)

経営者である父は哉明に後を継がせたがっていたが、息子の意思を尊重し警察官となる道を後押しした。

そんな父に恩義を感じている哉明にとって、この政略結婚は恩を返す絶好の機会だ。

幸い、心に決めた女性もおらず結婚に頓着もない。前向きな気持ちで弁護士の娘との顔合わせに向かった。

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