執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
唇だけじゃなくて手も出た。水を流し込みながら胸の膨らみに手を添えると、美都は「う……ん……」と気持ちよさそうに呻いて、口の端から水を溢れさせた。

「抱くぞ。酔ったお前が悪い」

一応宣言して、美都の服を脱がせる。艶やかな白い肌が今はほんのり桃色に染まっていて、まるで熟れた果実のようだ。

柔らかな曲線に手を添わせる。意識しているのかいないのか、哉明の動きに沿って美都が甘い吐息を漏らす。

「……たまらないな」

夕べの照れて恥じらう姿もかわいらしいが、蕩けて弛緩した姿も極上だ。

緩やかな弧を描く胸に、誘われるかのように唇を這わす。夕べは発してくれなかった甘い矯正をあげ、美都が胸を差し出した。

「あ……ん……かなめさ……きもちいい……」

「……たまに飲ませるか」

俺の前だけでなら。そんな企みを抱きながら、連日美都を容赦なく抱き尽くした。



「おはよう美都。六時だぞ」

すやすやと眠る美都の耳もとに囁きかける。やがてハッと目を覚まし、焦ったようにあたりを見回した。

今日も素肌に薄手の毛布を巻いている。昨日と同じ状況に戦慄したのか、美都がぷるぷると震え出した。

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