執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
不思議な前置きに、美都は首を傾げながらも「はい」と応じる。
「喜咲さんの幸せを祈ってます。だけど、もしもこの先、彼氏さんを信用できなくなる日が来たら――」
大須賀はテーブルの上の美都の手に手を重ね、笑顔を押し込めて真剣な顔をした。
「僕を頼ってもらえませんか?」
大きく目を瞬いて大須賀を見つめる。
(どういう意味なのだろう?)
もしもの話というよりは、予言のように聞こえて、なんとなく怖くなった。
「……なぜそんなことをおっしゃるんですか?」
素直に尋ねると、大須賀は「それは……」と言い淀み目を逸らした。
哉明の影響だろうか、美都は相手の表情や仕草から気持ちを探ることを覚えた。
今の大須賀から読み取れるのは〝心苦しさ〟そして〝口にはできないなにか〟の存在だ。
「お相手の方はキャリア組なんでしょう? 一般の方とは考え方が違いますから」
「……そうですね。確かに。私とは違った価値観をお持ちの方です」
「喜咲さんの幸せを祈ってます。だけど、もしもこの先、彼氏さんを信用できなくなる日が来たら――」
大須賀はテーブルの上の美都の手に手を重ね、笑顔を押し込めて真剣な顔をした。
「僕を頼ってもらえませんか?」
大きく目を瞬いて大須賀を見つめる。
(どういう意味なのだろう?)
もしもの話というよりは、予言のように聞こえて、なんとなく怖くなった。
「……なぜそんなことをおっしゃるんですか?」
素直に尋ねると、大須賀は「それは……」と言い淀み目を逸らした。
哉明の影響だろうか、美都は相手の表情や仕草から気持ちを探ることを覚えた。
今の大須賀から読み取れるのは〝心苦しさ〟そして〝口にはできないなにか〟の存在だ。
「お相手の方はキャリア組なんでしょう? 一般の方とは考え方が違いますから」
「……そうですね。確かに。私とは違った価値観をお持ちの方です」