執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
遊びのない真剣な口づけ。しっかりと重ねたあと、意志の強い眼差しで真っ直ぐに見つめられた。

「俺には美都が必要だ。後悔なんてしない」

熱い言葉が胸に流れ込んでくる。小さな不安や懸念をすべて押し流すほど、圧倒的な力強さ。

「俺は美都と一緒になる。都合がいいからじゃない、愛してるからだ」

驚きから哉明を見つめたまま動けなくなった。信じられない思いに駆られながら、震える声を絞り出す。

「でも……私、哉明さんに好かれるようなところなんて、なにも」

「本気で言ってるのか? 好きじゃないところを探す方が難しいが? 強いて言えば、その慎重すぎるところか」

ふっと笑みを浮かべて、美都の右頬に手を添えた。迎えうつ表情が優しすぎて、愛しくて、予期せず再び涙がこぼれ落ちる。

「黙ってついてこい。俺といれば、必ず幸せになれる。俺が幸せにする」

「……ほん、とうに、いいんですか? 私で」

「俺は美都がいい。お前はどうなんだ? まだ気持ちを聞いていないが」

左の頬にも手を添えて両手で挟み込むと、腰を屈めて目の高さを合わせた。

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