執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
その口調は楽しそうだ。すっかりいつもの彼に戻っていて安堵する。

「帰ってパーティー――って時間でもないな。少しだけ摘まんで、あとは明日の夜にするか」

「それなんですが、傷むとよくないので、明日、お弁当にして持っていこうと思っています。オフィスのみなさんに食べるのを手伝ってもらおうかと。三段のお重なら入るでしょうから」

「お重……」

哉明がプハッと吹き出す。

「なら、車で庁舎の前まで送っていく。お重持って満員電車はつらいだろ」

「ありがとうございます。助かります」

車が哉明のマンションに到着する。――いや、今日から美都のマンションでもある。ふたりの愛の巣だ。

車を置いてエレベーターに乗り込み、自宅についた瞬間、どちらからともなくキスを再開した。

「今日は新婚初夜だな。楽しみだ」

「今さらでは?」

「もう逃げられるのを恐れて手加減しなくて済む。今日は思う存分抱き尽くしてやる」

「えっ、今まで手加減なんてしてたんですか?」

早速哉明が寝室に連れていこうとするので、美都は必死に抵抗した。

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