執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
「副産物……」

余計にわからなくなったようで、鶴見が眉をひそめる。その一方で、筧が興奮気味にまくし立てた。

「っていうか今、『主人』って言わなかった? 普段あれだけ頑なに『まだ結婚してない』って言い張る喜咲さんが『主人』って」

美都はお腹の前で手を合わせて、礼儀正しく一礼する。

「実は昨日、婚姻届を提出してきまして。正式に夫婦となりました」

あまりにも取り留めのない情報に、鶴見が今度こそ頭を抱える。

「わかんない! 状況が全然わかんない!」

「ええと……雨降って地固まったって解釈でいい?」

美都は「問題ありません」と姿勢よく答える。

「とにかく、おめでとうでいいんだよね?」

「お、おめでとうございます?」

「ありがとうございます」

やり取りを聞いていた周囲のメンバーは、やや疑問符を浮かべながらも「おめでとう」と拍手をくれる。

みんなに祝福されて、美都の結婚は周知の事実となった。



昼休みにお重パーティーを開いたあと。

美都は大須賀に会いに情報管理課のフロアに向かった。

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