執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
昨日、CITの聴取で連行されて以来、大須賀とは会っていない。人のいい彼だから、心配しているのではないかと思う。

「失礼いたします」

大須賀のもとを訪ねると、デスクで通話中だった彼は美都に気づき「あっ」という顔をした。

ちょっと待ってて、というポーズをしたので、美都は少し離れたところで通話が終わるのを待つ。

しばらくして、通話を終えた大須賀が小走りでやってきた。

「お忙しいところ、お呼び立てしてすみません」

「いえ。心配していたんです。というか……目、腫れてません? 大丈夫ですか?」

さすがに泣き腫らしたとはいえず「大丈夫です、少し寝不足なだけですから」と少々強引にごまかす。

人のいい大須賀は騙されてくれたようで「こちらで話しましょうか」と美都を廊下に連れ出した。

「昨日は大丈夫でしたか?」

廊下の端。人通りの少ない場所に来たところで大須賀も本題を切り出す。

美都は「ご心配をおかけしました」と頭を下げた。

「連行とかではなく、少し話があっただけだったようで……その、結婚についてですとか」

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