執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
画面に表示されていたのは、色とりどりの花束だ。花の美しさはさることながら、ビジューが散りばめられたラッピングペーパーにレースのリボン、ハートのチャームがついていてとても凝っている。

こんなにもかわいらしいラッピングを見たのは初めてだった。

「すごくかわいい……すごくかわいい花束ですね」

思わず二回言ってしまった。大須賀が「ですよね」と頷く。

「この近くのお店なんですか?」

「ええ。この通りの裏側にあるお花屋さんだそうで」

「そうなんですね。初めて知りました」

隠れかわいいもの好きの美都のアンテナに引っかかる。自宅用に買うのもいいけれど、杏樹にプレゼントしたらとても喜んでくれそうだ。

「こういうの、妹が好きそうだなと思って。もうすぐ誕生日ですし、ちょうどいいので」

「なるほど、妹さん思いなんですね」

「いいように使われているお兄ちゃんですよ」

大須賀は苦笑して端末をポケットにしまう。

「そうだ。もしお時間があれば、喜咲さんも一緒に見に行きませんか? 結婚のお祝いにプレゼントしますよ」

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