執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
「人員を確保しておけ。解析が終わり次第、任意の聴取に移る。現在の大須賀の位置は?」

「少々お待ちください」

すると、入退庁履歴と監視カメラの画像を確認した捜査官が声をあげた。

「大須賀はすでに退庁……庁舎外で第一被疑者の喜咲と接触しました!」

哉明が顔を跳ね上げる。すぐにポケットから携帯端末を取り出し、美都の番号を表示して柳川に投げた。

「すぐにGPSで追跡しろ」

「わかりました」

「あの付近の大通りには管轄の監視カメラがあったはずだ」

「うち一台でふたりの姿を確認。駅方向から逸れ、住宅街へ入っていくようです」

哉明はチッと舌打ちし、その身を翻す。

「獅子峰さん!? どこへ」

「まだ大須賀の同行には踏み切れない。捜査が及んでいると怪しまれれば、全証拠を消される恐れがある。俺が直接出向くのが一番、ごまかしが効く」

哉明は美都の夫。ふたりを見かけて追いかけてきたと言っても不自然には思われない。

――いや、詭弁だ。美都の身に危険が及んでいるというのに、じっとしていられないというのが本心だ。

「この先、大須賀が向かいそうな場所は?」

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