執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
柳川はマップをモニターに映し出し、GPSに反映させる。

「その先は住宅街や駐車場しかありません。ですが、大須賀と関連が疑われる人物が、その先の駐車場を契約しています」

「柳川、足の手配を。ここを頼んだ」

哉明はすぐさま捜査本部を出ると、柳川が手配した車の後部座席に乗り込んだ。

運転席と助手席には所轄の捜査員、後部座席にはCITの隊員。隊員がすぐさま端末に捜査情報を表示し、哉明へ見せる。

本部から赤坂まで五分強。車を発進させて間もなく、捜査本部から通信が入った。

「大須賀の警視庁端末、復元完了! 不正プログラムとコードが一致!」

これで連行するための証拠が出揃った。あとは逮捕状を請求するだけである。

助手席の捜査員が「緊急走行に切り替えますか?」と指示を仰いでくる。

「いや、サイレンを鳴らせば相手は警戒する。どうせ現場はすぐそこだ、こちらの動きを悟られないよう、このまま近づき接触する」

こちらが逮捕に向けて動いていることを知れば、美都を人質に取られかねない。

あくまで穏便に、美都の夫として接触する。同行を求めるのは美都を大須賀から引き剥がしたあとだ。

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