執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
指輪のフィッティングが終わると、次はネックレスだ。スタッフは美都の背後に回り込み、首のうしろで留め金をはめた。

「今日のお洋服にもとてもよくお似合いですね!」

首もとにリングとお揃いの忘れな草がきらりと輝く。

鏡を見つめながら珍しく微笑んでいる美都を見て、哉明は満足そうに目を細めた。

「取り寄せたばかりで済まないが、次は結婚指輪を見せてもらえないか」

哉明の申し出に、スタッフたちもキラキラと目を輝かせ始める。

「ご結婚おめでとうございます! すぐにお持ちいたしますね」

今日も大きな買い物になりそうだ。

これも愛情の深さを表しているのだろう、美都はふふっと笑みをこぼしながら、そっと目を閉じた。





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