執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
いつか警視総監にも結婚のご挨拶に行くのか……そう考えると少々気鬱だ。

「まあ、話を戻すが。いずれにせよ、鎌亀にはなんらかの処分が下されるだろう。場合によっては懲戒免職もあり得るな」

鎌亀にきちんとした罰が下れば、大須賀も罪を償ってまっさらな気持ちで新たな人生を踏み出せるだろうか。

復讐だけを考えた人生など悲しすぎる。今後は自分のために生きてほしい。亡くなった母親や妹もそれを望んでいるのではないだろうか。

「ところで美都。ずっと気になっていたんだが」

ふと視線を上げると、哉明が美都をじっとりとした目で睨んでいた。

「大須賀とはどういう関係だったんだ?」

はて?と首を傾げる。彼はいったいなにを聞き出したいのだろう。

「よく仕事でご一緒させていただいてました」

「仕事……以外は」

「以外、ですか?」

なにを疑われているのか、本気でわからない美都だ。

哉明は業を煮やして美都を問い詰める。

「事件のあと、街中にある防犯カメラの映像を確認したんだが、あの日、大須賀に誘い出されてほいほいとついていっただろう。普段からあんな感じだったのか?」

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