執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
哉明はポンポンと決めていく。さすが決断力の鬼だ。

「ここなんか立地がよさそうだ。チャペルと神社が併設されているみたいだが……神前式後に洋風の披露宴をするか」

美都は置いていかれないようにこくこく頷く。

「まあ、プランはおいおい考えるか。美都だってゆっくり悩みたいだろ」

哉明はソファから立ち上がりキッチンに行く。淡いピンクとブルーの花柄マグに出来立てのコーヒーを注ぎ、戻ってきた。

「今回は焦らせないんですね。三分で決めろって」

「さすがに結婚式を三分で決めろは酷だろ。納得いくまで悩め」

そう言って美都の額にキスをする。驚いて額を押さえる美都を見て、哉明は満足そうに笑みを浮かべた。

「まずはここから決めたらどうだ? イメージが湧きやすいだろ」

差し出されたのは、ウエディングドレスのオーダーカタログだ。

ひと口にウエディングドレスと言っても、様々なデザインがあって、美都はほうっと息をつく。

「すごく綺麗ですね。いろいろな形があるんだな……」

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