執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
ふにゃふにゃになった美都を抱き支え、哉明が満足げな笑みを漏らす。

「哉明さんの……せいです……」

「そんな蕩けた声で言われると、もっといじめたくなるな」

哉明の甘く掠れた声と、じっとりと体を探るような手つきが美都を昂らせていく。

気がつけば哉明の背中に手を回していた。ぼんやりと見上げた先に鋭い眼差し。どちらからともなく目を閉じて、唇を重ねる。

シャワーの音が吐息と水音をかき消して、同時に羞恥心も消し去ってくれる。今までにないほど深く唇を絡めた。

「このままベッドへ行こうか?」

甘い声で尋ねられ、こくりと頷く。興奮したこの身はもう抑えが利かない。体を重ね合わせる以外の解決方法が見つからなかった。

タオルでざっと水気を拭き取ったあと寝室へ。珍しく美都から哉明の手を引いて、ベッドに招き寄せる。

「美都……?」

「哉明さん。……して」

寝転がるとともに哉明を抱き寄せキスをする。

髪から香るジャスミン。首筋からはソープと、彼自身の甘くスパイシーな香り。大きくて逞しい体を必死に抱き留め、自身を押しつける。

初めて積極的になった美都を哉明は驚いたように見つめていたが、やがて受け入れ、求めに応えた。
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