この結婚は運命ですか?~エリート警視正は清く正しい能面女子に首ったけ~
エピローグ
一年後。海が望めるチャペルで、美都と哉明はふたりきりの結婚式を挙げた。

場所はグアム。美都がカタログで一目惚れした場所だ。

ウエディングドレスと同じ色の純白の祭壇、そのさらに奥には白い砂浜と青い海、そして同じくらい青い空が広がっている。

美都はスレンダーラインのドレスを纏い、髪はアップにして白い花を飾りつけた。

哉明は真っ白いタキシード。胸もとには美都と同じ花。

どちらかと言えばウエディングフォト撮影と思い出作りをメインにした挙式で、本番はこのあと東京で、大勢のゲストを招いての大々的な式を予定している。

大企業の社長に役員、警察関係者、警視総監まで訪れる派手な式になりそうだ。考えるだけで緊張する。

『今日は練習みたいなものだ。楽しめ』――哉明には事前にそう言われたものの、バージンロードを歩く美都の姿は、どこかぎこちない。

綺麗にメイクアップされた顔は能面のように張りついている。

とても美しいのに、どこか残念で、哉明は祭壇で肩を震わせた。笑いを堪えているのだろう。

「Can I go help her?(迎えに行ってもかまわない?)」

< 253 / 257 >

この作品をシェア

pagetop