執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
彼は警察組織の人間。身内の行いにも厳しく、家族が罪を犯すと出世の道が閉ざされてしまう。左遷、降格、酷ければ懲戒免職もあり得る。
伴侶は慎重に選びたいに違いない。
「まずは、君がどういう気持ちでこの場に臨んだのか知りたい。俺たちは初対面同然だ。よく知りもしない男と生涯をともにしようと決断できるか?」
いきなり直球の質問をされ、美都はたじろぐ。
(それだけ真剣に、縁談に臨んでくれているってことかな)
だとすれば自分も真剣に答えなければならない。
哉明は憧れの人、自分を救ってくれたヒーローだ。
だがそれだけで結婚したいと言えるだろうか。趣味も特技も性格も知らない。知っていることと言えば、正義感の強さくらいだ。
ルックス、肩書き――目に見える部分は申し分のない人だけれど、結婚という決断をするにはなにかが足りない気がした。
「現時点では決断できません。おっしゃる通り、私はあなたをほとんど知りませんから。たとえ義母の勧めであっても、自分が納得できない相手とは結婚したくありません」
「……つまり、俺が相手では納得がいかないと?」
伴侶は慎重に選びたいに違いない。
「まずは、君がどういう気持ちでこの場に臨んだのか知りたい。俺たちは初対面同然だ。よく知りもしない男と生涯をともにしようと決断できるか?」
いきなり直球の質問をされ、美都はたじろぐ。
(それだけ真剣に、縁談に臨んでくれているってことかな)
だとすれば自分も真剣に答えなければならない。
哉明は憧れの人、自分を救ってくれたヒーローだ。
だがそれだけで結婚したいと言えるだろうか。趣味も特技も性格も知らない。知っていることと言えば、正義感の強さくらいだ。
ルックス、肩書き――目に見える部分は申し分のない人だけれど、結婚という決断をするにはなにかが足りない気がした。
「現時点では決断できません。おっしゃる通り、私はあなたをほとんど知りませんから。たとえ義母の勧めであっても、自分が納得できない相手とは結婚したくありません」
「……つまり、俺が相手では納得がいかないと?」