執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
先ほど、杏樹からではないと言っていたが――。
「君の仕事の関係者からだ」
しれっと言って哉明はエレベーターを降りる。三十階、そこに彼の自宅があるらしい。
「聞けば、君はうちで働いているそうじゃないか」
驚きからぴたりと美都の足が止まる。自分で仕事内容を説明する前に、彼の口から言われてしまった。
「私の勤務先について、知っていたんですね」
「君からは言いにくいだろうと思って。一応守秘義務があるんだろう?」
「はい。ですが、獅子峰さんは関係者ですから。話しても問題はないと思っていました」
哉明が玄関のキーを解除する。ドアを開け、美都を中に促した。
モノトーンを基調とした玄関が見える。まるで高級ホテルのようにスタイリッシュだ。
「IT企業『ステラソフト』の公共開発事業部に所属していて、現在は警視庁で犯罪履歴管理システムの開発に携わっている――驚いたよ。まさかこんな近くで働いていただなんて」
美都が就職したのは、日本で三指に入る大手IT企業だ。配属されたのは、官公庁のシステムや入札案件を多く扱う公共開発事業部だった。
「君の仕事の関係者からだ」
しれっと言って哉明はエレベーターを降りる。三十階、そこに彼の自宅があるらしい。
「聞けば、君はうちで働いているそうじゃないか」
驚きからぴたりと美都の足が止まる。自分で仕事内容を説明する前に、彼の口から言われてしまった。
「私の勤務先について、知っていたんですね」
「君からは言いにくいだろうと思って。一応守秘義務があるんだろう?」
「はい。ですが、獅子峰さんは関係者ですから。話しても問題はないと思っていました」
哉明が玄関のキーを解除する。ドアを開け、美都を中に促した。
モノトーンを基調とした玄関が見える。まるで高級ホテルのようにスタイリッシュだ。
「IT企業『ステラソフト』の公共開発事業部に所属していて、現在は警視庁で犯罪履歴管理システムの開発に携わっている――驚いたよ。まさかこんな近くで働いていただなんて」
美都が就職したのは、日本で三指に入る大手IT企業だ。配属されたのは、官公庁のシステムや入札案件を多く扱う公共開発事業部だった。