執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
入社してしばらくして、警視庁へ出向。以来四年間、システムエンジニアとして警視庁内で稼働するシステムの運用、開発に携わっている。

警視庁で働いていること、および、内部で得た情報を口外することは固く禁じられている。

出向するにあたり、まず秘密保持契約の書面にサインさせられた。

「うちで働いているなら安心だ。身辺調査も済んでいるだろう」

警視庁内で働くには身辺調査も必要だ。本人及び身内に犯罪者や反社の人間、危険とみられる組織と関わりのある人間がいると、庁舎への立ち入りが禁止される。

現在庁内で働いているイコール、身辺が保証されていると言えるのだ。

「すまないとは思ったが、警視庁の面々から君の仕事ぶりを聞かせてもらった。みんな口を揃えて真面目だと言っていたよ。とくに情報管理課第四係の主任はベタ褒めだったな。かわいいかわいいと」

本庄雅子主任は美都が新人だった頃からお世話になっていて頭が上がらない。

真面目な美都を買って、企業とその顧客という関係以上に日頃からとてもよくしてくれている。

(愛想はないけどかわいげがあると言ったのは、本庄主任だったのね。納得)

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