執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
恋愛を面倒くさいと言ってしまうあたり、哉明の性質がよくわかる。

美都はまだ一応、恋愛に夢を持っているけれど、恋愛結婚できそうかと聞かれたら即答できない。なにしろ、恋人がいたためしがないのだ。

その点、将来的に結婚を考えているなら今がチャンスと言える。

なにより両親が安心するというのは心惹かれるものがある。

「加えて、浮気や不倫で頭を悩まされる心配もない。信頼性ってやつは結構なメリットなんじゃないか?」

「警察官の方は絶対に浮気や不倫をしないのですか?」

「アホもいるから全員とは言わないが、少なくとも俺はしない。警察組織、とくにキャリア組は不祥事にうるさいからな。バレれば派手に責任を取らされる。浮気だの不倫だの、そんなくだらない理由で足を引っ張られるのを、俺はよしとしない」

断言する哉明から、キャリア警察官としてのプライドが覗いた気がした。

たぶんこの人は色恋に現を抜かすことはないなと、直感した。なにしろ、恋愛を面倒くさいと言い切る人だ。

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