執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
結婚ではなく婚約――即決する勇気はまだ持てないけれど、考える余地は大いにあると思う。
哉明がプッと吹き出して、美都のもとに戻ってくる。
「もちろん」
「では、私と婚約してください」
ソファの上に正座して、真っ直ぐに姿勢を伸ばし、ゆっくりと腰を折ると。
「綺麗な礼だな」
哉明は見蕩れるように漏らし、美都の隣に腰を下ろした。
ゆっくりと頭を持ちあげ、そこにある哉明の端正な顔を見つめる。
いつか自分はこの人と結婚を決断するのだろうか――それはまだわからないけれど、もっとよく彼を知りたいとは思う。
「よろしくお願いします、獅子峰さん」
「よろしく、美都」
すると突然、哉明の手が伸びてきて、美都の顎をすくい上げた。
すかさず距離を縮め、美都に唇を重ねる。
あまりにも突然の出来事に反応が遅れた。
これはどういうこと? なぜ? そんな疑問符に頭を支配されている間に、食むように唇を舐めとられた。
ちゅっと音を立てて唇が離れていく。呆然とする美都に、哉明は不敵な笑みを浮かべる。
「婚約は、許可と同義だよな?」
(そう……なの?)
哉明がプッと吹き出して、美都のもとに戻ってくる。
「もちろん」
「では、私と婚約してください」
ソファの上に正座して、真っ直ぐに姿勢を伸ばし、ゆっくりと腰を折ると。
「綺麗な礼だな」
哉明は見蕩れるように漏らし、美都の隣に腰を下ろした。
ゆっくりと頭を持ちあげ、そこにある哉明の端正な顔を見つめる。
いつか自分はこの人と結婚を決断するのだろうか――それはまだわからないけれど、もっとよく彼を知りたいとは思う。
「よろしくお願いします、獅子峰さん」
「よろしく、美都」
すると突然、哉明の手が伸びてきて、美都の顎をすくい上げた。
すかさず距離を縮め、美都に唇を重ねる。
あまりにも突然の出来事に反応が遅れた。
これはどういうこと? なぜ? そんな疑問符に頭を支配されている間に、食むように唇を舐めとられた。
ちゅっと音を立てて唇が離れていく。呆然とする美都に、哉明は不敵な笑みを浮かべる。
「婚約は、許可と同義だよな?」
(そう……なの?)