執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
「合わせるとか、努力とか、大切な人のためなら気にならなくなるわ。その人のためになにかをしてあげられることが幸せなの」
「なる……ほど……?」
(ひっくり返せば、私が獅子峰さんのためになにかをして幸せを感じられたなら、大切な人だということね)
わかりやすい指標が得られて、美都は深く得心する。
「よくわかりました。ありがとうございます」
「大丈夫、美都ちゃんはしっかりしたいい子だもの。きっとたくさん愛される。自信を持って」
そう言って杏樹は美都の頭をいい子いい子する。この人の過保護もたいがいである。
(でも、父が選んだ人がお義母さんでよかった)
赤の他人と一緒に暮らし始め、やがて本物の家族になる。杏樹のおかげでその感覚が少しだけ理解できる。
(私もお義母さんのように……はちょっと無理だけど)
せめて自分なりに他人を大切にしてみようと思った。
一カ月後、美都は両親に笑顔で見送られ、哉明の家に引っ越した。
哉明の家は、玄関を入るとまず廊下があり、左に進むとリビング、右に進むと寝室、そして書斎がある。さらに奥の空き部屋を美都の自室に割り当てた。
「なる……ほど……?」
(ひっくり返せば、私が獅子峰さんのためになにかをして幸せを感じられたなら、大切な人だということね)
わかりやすい指標が得られて、美都は深く得心する。
「よくわかりました。ありがとうございます」
「大丈夫、美都ちゃんはしっかりしたいい子だもの。きっとたくさん愛される。自信を持って」
そう言って杏樹は美都の頭をいい子いい子する。この人の過保護もたいがいである。
(でも、父が選んだ人がお義母さんでよかった)
赤の他人と一緒に暮らし始め、やがて本物の家族になる。杏樹のおかげでその感覚が少しだけ理解できる。
(私もお義母さんのように……はちょっと無理だけど)
せめて自分なりに他人を大切にしてみようと思った。
一カ月後、美都は両親に笑顔で見送られ、哉明の家に引っ越した。
哉明の家は、玄関を入るとまず廊下があり、左に進むとリビング、右に進むと寝室、そして書斎がある。さらに奥の空き部屋を美都の自室に割り当てた。