執着心強めな警視正はカタブツ政略妻を激愛で逃がさない
「ああ、トラブルがあってな。二、三日、帰りが遅くなると思う。先に眠っていていいぞ」

「わかりました」

もともとそのつもりではあった。待たれては仕事がしにくいだろう。

哉明はバッグをソファの足もとに置くと、お決まりのミネラルウォーターを飲もうとしたのか冷蔵庫を開けて、そして絶句する。

「これ……夕飯か?」

冷蔵庫の中にはチキンステーキと野菜スープの入った小鍋。一応ふたり分作って冷蔵庫に入れておいた。哉明が食べないようなら翌日、美都がお弁当に入れて持っていけばいい話だ。

「……夕飯の残り物です。明日、私が食べます」

答えると、哉明は冷蔵庫を閉めて美都のもとまでやってきて、頭をくしゃくしゃと撫でた。

「明日の朝、俺が食べてもいいか?」

「それは……もちろんですが」

「明日は六時には起きるつもりだから、美都のヨガを見ながら朝食を食べるよ」

哉明が艶やかな笑みを浮かべて言う。美都は「私のヨガを見ながらはやめてください」と静かに非難した。



週末になる頃には、哉明の仕事も落ち着いたようだ。

買い物に行こうと約束していた日曜日の十三時。玄関で顔を合わせたふたり。

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