その甘さ、危険度MAXにつき。
「う、嬉しくない!」
パシッとその手を弾けば、村田くんはあははと笑った。
「悪い悪い。怒んなって」
んぐぐ……!
「なら早く帰ってゲームしねぇ?」
「ゲーム?」
「そう。晴くんって格闘とか好き?」
「んー……」
やったことないけどここで“知らない”って言ったら、女ってことがバレちゃうかもしれないし……。
「あんまりやったことない、かな?レースとかそういうのなら昔友達の家でやってた」
ここは嘘をついて誤魔化そう。
レースの話は本当だからきっと大丈夫……たぶんだけど。
「じゃあ俺の部屋でレースしようぜ!」
前は急げと言わんばかりに村田くんはあたしのスクールバッグを引っ張って。
村田くんが嬉しそうに笑うから、あたしまで笑顔になるんだ。