その甘さ、危険度MAXにつき。
捕食者

「晴っ!!!」


勢いよく病室のドアが開かれ、椅子に座っているあたしの所に、真っ先に来たお母さん。
その顔は今まで見たことないくらい焦っていたんだ。



「あなた、大丈夫なの?」


あたしの顔をペタペタと触り、絆創膏の所でその手が止まった。


「ん……大丈夫。それより……」


ソッと視線をベッドに移すと、お母さんも一緒になって視線を移した。



「この子は?」

「あたしの下敷きになっちゃったみたいで……」



ベッドの上で眠っている男の子。

頭には包帯を巻いてて………どう見たって重症だ。




この人のことは覚えてる。

あたしが階段から落ちる寸前にいた男の子。



そこからの記憶はないけど、絶対この男の子が下敷きになったパターン。




「……」


目が覚めなかったらどうしよう……。


そんな不安に駆られて、思わずズボンを握りしめた。


矢先、

スッとドアが開く音がした。


そこには先程まで一緒にいた学園長───

そう。由希子さんがいたんだ。

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