その甘さ、危険度MAXにつき。
「懐かしいわぁ」
そう言って由希子さんは昔のことを思い出したのか、クスッと笑った。
「昔、仔犬がカラスにいたずらされてたのよ」
いたずら?
突かれたりってことかな?
「その仔犬って野良だったんだけど、恵ったら助けに行くって言って聞かなかったの」
「そんなことあった?全然覚えてないんだけど」
「あったわよ。私衝撃的過ぎて覚えてるんだから。たしかあれは6年生の時よ、“野良犬を助けようとする女の子”ってね」
「何それ。バカにしてるでしょ」
「それくらい優しい人だったってことよ」
アハハと笑う由希子さん。
由希子さんってクールビューティーで話しかけにくい感じだったから、今のでちょっとイメージ変わったかも。
それにしても小6って……そんな昔から知り合いだったんだ。
お母さんと由希子さん、本当に仲良しなんだなぁ。