その甘さ、危険度MAXにつき。
転校先は〇〇校
───ピピピピピッ
昨日の夜にセットした目覚まし時計の音が部屋いっぱいに響き渡る。
「ん……」
まだ眠い……。
重たい瞼を懸命に開け、パチンとスイッチを切って再び瞼を閉じれば、意識がどんどん遠ざかっていく。
「………」
「………」
「………スゥ」
………。
ぼんやりとする頭の中、ヴヴヴヴッと籠ったような音が聞こえる。
ん……。
何だろう、この音。
遠くで聞こえるような、近くで聞こえるような。
戻りゆく意識の中、その音がスマホのバイブ音だと知った瞬間、手を伸ばしてそれを耳に当てた。
「もしも───『やっぱりまだ寝てた!!!』
キーンッと鼓膜を突き破るような声に、頭が覚醒するように一気に目が覚めた。
『もうっ!!電話して良かったわ。転校早々遅刻なんて由希子に何て言えばいいのか……!』
「ご、ごめん。お母さん」
慌ててベッドから飛び出して。
スマホをスピーカーにして、あたしは急いで制服に着替える。