その甘さ、危険度MAXにつき。
反射的に身体が飛び上がって。
逃げるように後退りをした。
「安心しろ、誰にも言わねーよ。訳ありなんだろ?」
「ぁ……、」
安心した。
思ってたより優しい男の子で。
だから、潰れていた喉も、激しく上下していた心臓も和らいでいったから、自然と声が出たんだ。
「……!」
ツーと頬を伝う雫。
その時初めて自分が冷や汗をかいてることに気付いた。
この男の子、もしかして……この汗に気が付いてた……?
「訳ありと言うか……あたし、バカだったから……他の高校に入れなくて……」
訳ありと言うから、なんだか大袈裟に聞こえて。
弁解しようと思って話したのに……男の子からの返事は無かった。