その甘さ、危険度MAXにつき。
「汗拭けば?」
「……はい」
恥ずかしい。
思ってたより冷や汗かいてる。
制服のポケットからタオルを取り出して。
ゴシゴシと拭いただけなのに「やっぱ女子じゃん」とか言うから困る。
男子校にいる限り、男っぽくいなきゃいけないのに。
「てか、帰れよ」
「えっ」
「サボろーと思って今まで寝たふりしてたのにアンタがいたら台無し」
「あ……ご、ごめんなさい……」
でも帰れない。
足が無いんだもん。
明日の朝、由希子さんに迎えに来てもらうことになってるから……。
「明日の朝、帰るので……今日だけは……」
「はぁ」
うっ。
そのため息があたしに精神的ダメージを与える。
「なら自分の所に戻れ。ベッドあるんだろ?」
全てお見通しなんだね。
……と、言うより、本当にずっと起きてたんだね。