甘いきみは、私の心を離さない
「……なにすればいいんですか」

「簡単に言うとあれから俺を離してくれ」

指さした方向を見ると女がいた

髪はボサボサで必死に誰かを探している

要は女が追いかけてくるからあいつから遠ざけてくれってことか

……めんど

まあ、暇つぶしにはいいか

「じゃあこっち来て。あ、詩菜もね」

裏路地に入って複雑な通路を進む

そしてぐるっと1周して元の場所に戻ってくる

周りを確認すると先程の女は消えていた

「ありがとうな」

それを確認した男がお礼を言ってくる

「おれ今日転校して高海総合高校に行く予定だったんだけど、あいつに追いかけられちゃってさ。この先でまた他の連中と合流するんだ。」

……ん?

高海総合高校?

「それ、うちらもおんなじ!」

詩菜が叫ぶ

あーあ、言っちゃった

「え!まじ?おれ海弥(かいや)!そっちは?」

「私が詩菜で、こっちが七華!」

ほら、めんどくなった
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