いつまでも
「挨拶もしないで帰ろうなんていい度胸ね」

いきなり喧嘩腰の麗華


はぁ

何で麗華に挨拶しなきゃいけないんだろう?

「さようなら?」

それだけ言って出ようとすると、今度は左手をパシッとつかまれた


「何?」

思わずそう言うと、


「優愛〜」

という聞き慣れた高めの声が聞こえてきた

夏鈴だ


麗華が手を緩めた隙に引き抜いて走り出す


「優愛、蒼に呼ばれてるんでしょ?

車で待ってるね」


夏鈴にすれちがい様に言われてうなずいた


「もしあれだったら、先帰っててもいいよ

マネージャー呼ぶか、電車で帰るから」

「りょーかい!」


再び、空き教室に向かって歩き出す





コンコン

ドアをノックして中に入ると蒼となぜか高校1年の聖蘭に通う兄、優翔がいた


「え!?」


思わず声をあげてしまった


「優愛、とりあえず座って」
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