運命の彼と極上の愛を〜夫の不倫の証拠集めの為に雇った探偵の彼は、沢山の愛で私を満たしてくれる〜
 いつも会う時は仕事中という事もあって、スーツ姿の杉野さん。

 だけど今日は休日だから仕事が休みなのか、黒のロングTシャツにベージュのチノパンを履いたラフな服装だった。

「小西さん、顔色が悪いようだけど、大丈夫?」
「あ……はい、大丈夫です……」
「大丈夫そうには見えないんだけど……」

 いつもは仕事だから言葉遣いも丁寧なのか、今日は普段と違って口調が軽い印象の杉野さん。

 だけど何て言えばいいのか、今の杉野さん相手の方が話しやすく感じてしまい、自宅で見たあの光景を誰かに話したかった私は、

「……っ、杉野さん……私、もう……無理かもしれません……っ」

 瞳から熱いものが込み上げる中、優しく声を掛けてくれた彼につい弱音を吐いてしまった。

「とりあえず、場所変えよう。俺車で来てるから、こっち来て」

 人混みの中という事もあってこのままここで話す訳にもいかないと思った杉野さんは場所を変えようと提案するや否や私の手を掴んで歩き出した。

 そして五分程歩いたコインパーキングに着くと、一台の車の前で止まり、

「ここならあまり人も来ないから、中で話そう。乗って」

 助手席側のドアを開けてくれた杉野さんが中へ入るように勧めてくれたので、コクリと頷いた私は言われた通り席に着いた。
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