運命の彼と極上の愛を〜夫の不倫の証拠集めの為に雇った探偵の彼は、沢山の愛で私を満たしてくれる〜
希望の光
「こんな素敵なマンションに住んでいるんですね」
「そうかな? 小西さんだって、住所を見る限りそれなりのマンションに住んでるでしょ?」
「夫が見栄っ張りな性格なので……」
「そっか。まあいいや、行こう」
「はい」

 車を降りた私たちはエントランスホールへやって来ると、エレベーターが到着するのを待った。

 そして、エレベーターに乗り込むと、杉野さんは最上階の二十五階のボタンを押した。

「最上階に住んでいらっしゃるんですね」
「うん。まあ特に拘りは無いんだけど、どうせなら最上階でいいかなって」
「そうなんですね」

 格好良くて、優しくて、気遣いも出来て、良い車に乗っていて、高層マンションの最上階に住んでいる杉野さん。

 絶対に女性からモテるだろうし、そもそも彼女がいないのか不安になる。

「あの、ここまで来て今更なのですが、杉野さん、彼女はいらっしゃらないんですか?」

 最上階に着いて一番端の部屋の前にやって来たタイミングで彼女の有無を尋ねると、

「そんなのいないよ。っていうかいたら流石に小西さんを家には誘えないよ」
「そう、ですよね。それを聞いて安心しました。もしいたら、彼女さんに申し訳無いですから」

 いない事が分かってひと安心。

「さ、中に入って」
「お邪魔します」

 そして、鍵を開けた杉野さんに促される形で私は部屋へと足を踏み入れた。
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